『マクベス』開幕
2025-05-12 15:42:49

舞台『マクベス』、藤原竜也の熱演と新たな解釈が話題に!

舞台『マクベス』開幕レポート



彩の国シェイクスピア・シリーズ2ndの第二弾『マクベス』が、2025年5月8日に彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで初日を迎えました。この作品は、吉田鋼太郎が芸術監督及び演出を手がけ、藤原竜也が主役のマクベスを演じ、土屋太鳳がマクベス夫人として出演しています。

開幕日は雷雨に見舞われる中、魔女たちの奇怪な姿から物語が始まります。舞台には、吉田、稲荷卓央、海津義孝の3人の魔女が登場し、観客を引き込みます。藤原竜也は、マクベス役としての新たな挑戦を果たしています。彼は40代を迎え、シェイクスピアの四大悲劇に満を持して挑む姿は、観客に強烈な印象を残しました。

物語は、必要な気配りが欠如した野望を抱くマクベスの姿を描いています。彼は、昔からの友人であるバンクォーや国王ダンカンを裏切る選択をする一方、マクベス夫人と手を組むことで一時は順風満帆に見えます。しかし、その後の彼の心の葛藤と道徳心の衰退は、やがて夫婦の関係に亀裂を生じさせ、悲劇的な結末へと突き進む様が描かれています。

藤原は、マクベスの心の痛みを体現するにあたり、時に滑稽さを見せつつも、鬼気迫る激情を披露しました。特に印象に残るのは、「明日、また明日……」という名セリフに込められた彼の思いで、観客は彼の苦悩を一瞬で感じ取ることができました。シェイクスピアの描く悪人像の深淵を、藤原は見事に観る者に届けています。

土屋太鳳は、マクベス夫人を演じる際に、愛情と野心が交錯する心情を巧みに表現しました。彼女の演技は、夫への愛が脆弱な一面をさらけ出す場面に注目が集まり、観る者の心を打つものとなりました。彼女の存在がなければ、マクベスの物語は全く違った観点で語られるでしょう。

また、バンクォー役を演じる河内大和は、マクベスの友としての一時の晴れやかさの裏には、野心が潜んでいることを見せる役柄に挑戦。この駆け引きが物語に更なるスリルを与えてくれました。彼と藤原のコンビネーションは、物語を引き立たせる要素となっています。

一方、冷静で義務感強いマクダフを演じる廣瀬友祐も見逃せません。彼の復讐という強い感情が、物語のクライマックスで炸裂する様は、観客の感情を揺さぶります。多様なキャラクターたちがそれぞれの思惑を抱えながら展開する『マクベス』は、観る者に深い余韻を残すことでしょう。

吉田鋼太郎の演出はシンプルながらも力強く、俳優たちの演技を最大限に引き出しています。音楽には東儀秀樹を迎え、場面ごとの感情を整える要素となっており、感覚的な体験を生み出しています。シェイクスピアの言葉を丁寧に掘り下げながらも、観る者に分かり易く届ける演出のスタイルは、多くの観客に支持されることでしょう。

埼玉公演は5月8日から25日まで、その後宮城、愛知、広島、福岡、大阪公演も控えており、ますます多くの観客の心を捉えることが予想されます。この時代に、シェイクスピア作品を通じて伝えられる奥深さを感じるために、ぜひ劇場へ足を運んでみてください。


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