戦時下の音楽教育の真実をあぶり出す復刻版『初等科音楽』
2026年1月14日、国定教科書『初等科音楽』の復刻版が刊行される。この書籍は、戦時中に国民学校で使用されていた音楽教科書を全四冊合本したもので、当時の音楽教育に関する貴重な資料を提供する。
墨塗りの背景と復刻版の価値
戦後の日本は占領政策によって、数多くの楽曲が墨塗りや削除の対象となり、『初等科音楽』に収められた楽曲も例外ではなかった。本復刻版では、すでに歴史から消されていた「紀元節」や「天長節」、「靖国神社」に関する楽曲などがそのまま収録されており、当時の音楽教育の実態を垣間見ることができる。
本書は、初等科3年生から6年生向けの音楽教科書であり、当時の教育方針や価値観がどのように影響を与えていたのかを読み解くカギとなる。復刻版によって、かつて子どもたちがどのような歌を歌い、どう教えられていたのかが立証されることになる。
塩入清香氏の深い洞察
特筆すべきは、歌手で参議院議員の塩入清香氏が巻末に解説を寄せている点だ。彼女は、西洋音楽との融合の模索や戦後教育における「君が代」の位置付けについて、自身の体験を交えながらじっくりと論じている。これは普通の音楽教材とは一線を画し、歌詞や楽曲以外の背景も含めて理解を深めるための貴重な情報源となる。
ピアノ伴奏音源と特別収録
さらに、本復刻版の発売に合わせて、掲載曲のピアノ伴奏音源も別売でリリースされる予定だ。特別コンテンツとして、塩入氏自身による「君が代」の歌唱音源も収録されており、実際の音楽教育がどのように行われていたのかをさらに体感できる。
書籍情報
この復刻版は、以下の仕様で発行される。
- - 書名:[復刻版]初等科音楽
- - 著者:文部省
- - 解説:塩入清香
- - 仕様:A5並製・184ページ
- - ISBN:978-4802402491
- - 発売日:2026年1月14日
- - 本体価格:1500円(税別)
- - 発行:ハート出版
- - 商品URL:復刻版 初等科音楽
この復刻版は、音楽教育だけでなく、戦争の影響を受けた日本の文化や価値観を理解するための重要な資料として、多くの人に読まれることが期待されている。音楽が持つ力と、それを教えることの意味を改めて考えさせられる一冊になるだろう。