未来のハンドベルを開く！藤田美千子による革新的楽器『プロローグ』の全貌

誰もが手を伸ばさなかったハンドベルの未来

ハンドベルの世界において、独立したソリストとして活躍することは極めて少数。2023年、そんな中でたった一人の奏者が新たな挑戦を始めた。それは、存在しない楽器の開発である。株式会社奏音楽企画の代表である藤田美千子氏が開発した練習用ハンドベル『プロローグ』が、ついに特許を取得したのだ。

この楽器の革新性は、単なる音源としての役割にとどまらず、音楽教育の新たな可能性を切り開くことにある。特に、2025年12月には東京ビッグサイトで開催される「高精度・難加工技術展2025」において、『プロローグ』のクラッパーメカニズムを紹介する。発明者である福崎昌宏技術士が柏商工会議所と共同出展し、実際に試打も可能だ。

原点は“違和感”

藤田氏が『プロローグ』の開発を決意した背景には、音楽教育に存在する大きな課題があった。音楽大学や専門学校には、ハンドベルの専攻が存在せず、若い才能が育たない環境が続いていた。「このままではハンドベルの文化が消えてしまう」との想いから、藤田氏はハンドベルの練習環境を整えることを決意。「ないのなら作ろう」という信念のもと、彼女はハンドベルの未来を変える楽器の開発に挑んだ。

特許化の意義

『プロローグ』の特許出願は、藤田氏の「譲らない信念」を証明するものである。イングリッシュハンドベルに移行しやすく設計されたこの楽器は、ひとりの奏者の身体感覚から生まれたものであり、特許は技術を保護するためだけではなく、次世代へと文化を引き継ぐための決意表明でもある。

初展示は文化革命の第一歩

12月3日、初めて『プロローグ』が展示会に姿を現す。この発表はただの新楽器の紹介ではなく、日本の地域文化から世界への音楽的な変革の第一歩となる。藤田美千子が自主的に立ち上げたこのプロジェクトは、彼女と創意工夫に満ちた福崎技術士の協力を通じて実現した。

『プロローグ』は、これまでのハンドベルとの大きな違いがあり、初心者から上級者まで使える設計思想が盛り込まれている。展示会では、実際に楽器を手に取って体験できる貴重な機会が提供される。

代表の想いと未来への期待

藤田美千子は、この『プロローグ』にハンドベルの未来を託する。「この楽器を通じて、誰もがハンドベルを学べる世界を作るための最初の一歩です」と彼女は語る。その思いは、未来の奏者たちの夢を育て、音楽文化の継承へとつながることを願っている。『プロローグ』には、すべての人々がハンドベルに夢を抱き、奏者を目指すための道があるのだ。

株式会社奏音楽企画の活動

株式会社奏音楽企画は、日本を舞台にハンドベルの演奏や教育、楽器開発など多岐にわたる分野で活動を展開している。音楽を通じて人々の心を動かし、地域文化の振興やアーティスト育成に力を入れながら、価値ある音楽文化の創造を目指している。今後も注目を集めるこの新しい試みは、音楽教育の新たなスタンダードを築く可能性を秘めている。