印刷業界における廃シリンダーの再資源化実験がスタート

日本の印刷関連業界における廃棄物問題が新たなステージを迎えています。サカタインクス株式会社は、森脇鉄工株式会社やエムエム建材株式会社との協力により、グラビア版で使用されるシリンダーの再資源化に向けた実証実験を開始しました。この取り組みは、環境保護の観点からも重要な意味を持っています。

廃シリンダーの状況

グラビア印刷を行う企業やパッケージメーカーは、多くのシリンダーをストックしています。しかし、その中には不要になったものも多く存在し、廃棄処理が難しいため、放置されるケースが増えています。また、シリンダーには銅やクロムのメッキが施されており、それらを取り除いてリサイクルするには多大な労力が要求されます。こうした現状から、多くの廃シリンダーが埋め立て処理されてしまうのが現実なのです。

実証実験の内容

新たに始まった実証実験では、森脇鉄工が廃シリンダーや鉄の切りくず（ダライ粉）の回収とリサイクルのプロセスに関わります。エムエム建材がこれらの廃材を回収し、再資源化する手法を整えています。サカタインクスは、印刷業界の抱える問題を解決し、流通する資源を有効活用するサーキュラーエコノミーの実現を目指しています。

環境への影響

この取り組みによって、廃棄物の削減にとどまらず、新たにシリンダーを製造する際にかかるCO₂の排出量を減らすことが期待されています。今後は、その効果を定量的に検証し、より明確なデータをもって業界全体の改善を図る予定です。サカタインクスは、パートナー企業を募集し、この取り組みを広めることで、さらなる資源リサイクルのスキームを構築する考えです。

今後の展望

印刷業界におけるゼロエミッションを実現するため、サカタインクスは廃シリンダーのリサイクルを進めるリーダーとして着実に歩みを進めています。自社だけでなく、広く業界全体に呼びかけ、協力を仰ぎながら持続可能な未来を築く取り組みに力を入れています。環境に優しい印刷業界の構築は、次世代のためにも必要不可欠な課題なのです。今後も様々な企業との協力を通じ、持続可能な社会の実現に向けた活動が期待されます。