再々演を控えたミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』のオーケストラ合わせをレポート！

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』オーケストラ合わせの様子

2025年1月17日、日生劇場にて再々演を迎えるミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』のオーケストラ合わせが行われました。本作はアンドリュー・ロイド＝ウェバーの名作『オペラ座の怪人』の続編にあたる作品で、これまで何度も上演されており、いつも満席となる伝説的な舞台です。

今回は、1月8日に行われた稽古場でのオーケストラ合わせの様子をお伝えします。会場には豪華キャストが集結し、初めてオーケストラ陣と共に作品を創り上げる瞬間が創出されました。

オーケストラやスタッフは厳かな雰囲気の中、キャストたちは各自のペースでリハーサルを開始しました。彼らはお互いに談笑しつつ、ストレッチをしたりとリラックスした様子で、各キャストが自分のナンバーを披露する準備を整えます。

オーケストラ合わせの始まりを告げるのは、ファントム役を演じる橋本さとしさん。彼の歌声が会場に響くと、空気が一変。その感情を乗せた熱い歌が観客の心を揺さぶります。彼は今回初めてファントム役を演じるにあたり、その新たな解釈が期待されています。

続けて、アンサンブルメンバーが参加する華やかなナンバーが展開されます。音楽に乗せてのパフォーマンスは、視覚的要素がないこの状況でも、音楽の持つ力を再認識させるものでした。この日は、特にアンサンブルキャストたちの素晴らしいハーモニーが際立ち、音楽の魅力が存分に引き出されていました。

稽古の途中、現れるのはラウル役を演じる加藤和樹さん。同作品の中で彼が見せる演技は、重要な役割を果たしており、彼の深い解釈が感情を盛り上げます。その歌声と表現には、観客を惹きつける何かが備わっています。

ミュージカルの醍醐味は、メインキャストだけではないところです。地味な役柄でも、キャストが自分自身を生かし、ストーリーを築き上げる姿勢には感動させられます。特に、次のナンバーであるメグ・ジリー役の小南満佑子さんとマダム・ジリー役の春野寿美礼さんのやりとりは、緊張感と共にキャラクターの深い関係性を浮き彫りにしていました。

この日、スタンドマイクの前で見せるキャストたちの情熱的なパフォーマンスは、観客を引き込む力があり、オーケストラの伴奏に馴染んでいくその過程は、まさに生演奏ならではの魅力です。

また、彼らの演技には、オーケストラの動きに合わせることが求められるため、プロフェッショナルな感覚が常に試されます。指揮者の山口琇也氏からの注意も行き渡り、冷静な目で作品を支える体制が整っていることが伝わってきました。

この日は、主に1幕のナンバーが中心でしたが、特にハイライトとなる「月のない夜」「遠いあの日に」のデュエットは素晴らしく、主演のファントムとクリスティーヌの間に生まれる感情の交錯が感じられました。参加した全員がその瞬間を共有しているかのような感覚が、稽古室に漂っていました。

日程が近づくにつれ、各キャストの熱量がさらに高まっていく様子が印象的でした。公演初日が待ち遠しいという期待感を一身に背負って、お互いの成長を励まし合う姿は、アーティストたちの素晴らしいコミュニケーションが育まれていることを物語っています。

この日、4時間以上にもわたる長時間の稽古は、決して退屈させることなく、むしろ充実感に満ちていました。作品の中に秘められた音楽の美しさや、キャストの個々の演技、またそれに伴う感情の豊かさを感じながら、初日を迎える準備が整いつつあることを実感しました。新たな『ラブ・ネバー・ダイ』がどのような姿を見せるのか、期待が膨らみます。

公演情報

- 作品名：ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』
- 日時：2025年1月17日(金)〜2月24日(月・休)
- 場所：日生劇場
- キャスト：

- ファントム：市村正親／石丸幹二／橋本さとし
- クリスティーヌ：平原綾香／笹本玲奈／真彩希帆
- ラウル・シャニュイ子爵：田代万里生／加藤和樹
- メグ・ジリー：星風まどか／小南満佑子
- マダム・ジリー：香寿たつき／春野寿美礼
- グスタフ：植木壱太／小野桜介／後藤海喜哉

この力強い音楽と魅力的なキャストたちが作り上げる舞台がどのように展開していくのか、目の前でその瞬間を体験できることを楽しみにしましょう。