京都・両足院で開かれるタイジ・テラサキの個展
2025年9月5日から、京都の両足院でハワイ在住のアーティスト、タイジ・テラサキによる個展「飛翔Wings Over Crystalline Landscapes」が開催されます。この展示では、約40点の作品が展示され、特にクリスタルの結晶を使用した作品やカラーフィールド・ペインティングが注目されます。禅寺特有の建築が持つシンプルさと深い美が、作品を通じて表現されています。
展示される作品には、クリスタルの結晶を施した写真や掛け軸、さらには陶芸家ロイ・クニサキとのコラボレーションによる特注の茶碗も含まれています。これらの作品は、有機的な要素と無機的な要素の相互関係を強調しており、変化(メタモルフォーシス)や結晶化、禅の瞑想をテーマに、静かに変容し続ける様子を映し出しています。
自然とアートの共鳴
タイジ・テラサキ氏は、「結晶や蝶の成長は禅の瞑想と同じように静寂の中で進みます。その静けさが、時を経て美を形づくるのです」と語っています。特に、毎年秋になると見られるアサギマダラ蝶の移動は、自然環境とアートの深い結びつきを象徴しています。この蝶は香りに導かれ、北海道から南シナまでの長旅を行い、その移動は自然界の変容を体現しています。
近年、都市部ではアサギマダラの姿が減少しており、気候変動や環境の変化が影響していると言われています。これによって、彼らの飛翔パターンも変わりつつあります。テラサキの作品は、こうした自然そのものの美と、それが持つ意味を観客に問いかけるものとなっています。
拡張現実(AR)や特製扇子、茶会にも注目
個展では、最新のAR技術が導入され、来場者はアサギマダラの飛翔を体験することができます。また、京都の老舗扇子店・白竹堂と共同制作された特製の扇子が用意され、梅雨や初秋の香りである藤袴の香りが施されています。この扇子を手にしながら作品を鑑賞することで、より深い体験が得られるでしょう。
会期中は、両足院の茶室「臨池亭」にて茶会や呈茶も実施されます。特に、茶室に設置されるサイトスペシフィックな作品は来場者との交流の場となり、静かな時間の中での瞑想を促します。
大自然を守るアートの役割
本展覧会は、アートを通じて自然環境の保全・保存・修復を推進する教育団体のMakeVisibleによって企画されました。この団体はアート展覽会の支援を行っており、自然環境への教育的なミッションを掲げています。
展覧会詳細
- - 会期: 2025年9月5日(金)〜10月1日(水)
- - 時間: 13:00-17:00 (最終入場 16:30)
- - 会場: 両足院(京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591)
- - 特別拝観料: 大人¥1,000、高校生以下¥500(現金のみ)
お知らせ
プレス関係者・VIPの内覧会は、2025年9月4日(木)に開催されます。アーティスト自身が参加し、茶室での呈茶体験を通じて特別な体験ができるチャンスです。事前のRSVPが必要になりますので、お早めにお知らせください。
この特別な個展で、タイジ・テラサキ氏のアートが持つ深いメッセージを感じ取ってみてはいかがでしょうか。