日本規格協会が新たに制御システムセキュリティ規格の対訳版を発表

日本規格協会が発表した新たな制御システムのセキュリティ規格

2025年8月18日、一般財団法人日本規格協会が「IEC/TS 62443-6-2 Ed. 1.0:2025 (en)」に関する邦訳書を発行しました。この対訳版は、産業用オートメーション及び制御システムのセキュリティに焦点を当てた重要な規格です。

IEC 62443シリーズとは

IEC 62443シリーズは、オペレーショナルテクノロジー（OT）環境のセキュリティ確保のために設計された国際的な基準です。ISA（国際自動制御学会）とIEC（国際電気標準会議）という二つの団体によって、OTセキュリティの分野で幅広いリファレンスとなるべく開発されています。

本規格は、特にIEC 62443-4-2におけるIACS（産業用自動化制御システム）コンポーネントのセキュリティ評価方法に関する具体的な手法を提供します。これにより、製品が技術的な要件にどの程度適合しているのかを客観的に評価することが可能になります。

規格の詳細

発行された新規格は、英語版および英日対訳版の2種類があり、それぞれ以下の価格で販売されています。

- 英語版：税込価格76,285円（A4判62頁）
- 邦訳版：税込価格137,313円（A4判130頁）

この評価方法論では、同じ系列の規格に基づく適合性を測るための詳細なテストケースや手順を明示し、評価を一貫性、再現性および客観性を持って実施することを可能にします。具体的には、製品サプライヤーやサービスプロバイダ、資産オーナー、さらに適合性評価機関に向けての第一者、第二者、あるいは第三者による適合性評価活動が想定されています。

さらに進化する規格

また、IEC/TS 62443-6-1 Ed. 1.0:2024という別の関連規格も発表されており、こちらはIEC 62443-2-4の要求事項に基づく評価方法論を提供しています。この規格も対訳版で販売されており、製品サプライヤーやサービスプロバイダのセキュリティ能力の要求事項に対応しています。

規格の重要性

現在、世界中でテクノロジーの進化に伴い、セキュリティの脅威はますます複雑化しています。IEC 62443シリーズはそのようなリスクを最小限に抑えるための指針となる重要な要素です。これにより、企業は自社のシステムをより安全に保つための方法を確立し、業界全体のセキュリティ向上に寄与することが期待されています。