驚愕の生態を持つ寄生生物の秘密を探る新刊情報

驚愕の生態を持つ寄生生物の秘密

2025年7月29日、新潮社から成田聡子の新刊『えげつない！寄生生物』が発売されます。本書では、寄生生物がどのように他の生物を操り、自らの生存を可能にしているのか、その驚くべき生態を掘り下げています。寄生とは本来、相互に利益を享受する共生の一形態ですが、本書では片方が他方に大きな害を及ぼす寄生のメカニズムについて焦点を当てています。

寄生生物は非常に多様で、宿主に対してありとあらゆる手段で干渉します。これにより、宿主の行動や性格にまで影響を及ぼすことがあります。本書では、カッコウが他の鳥の巣に卵を産み落とし、オスのカニに母性を植え付けるフクロムシ、さらにはテントウムシを麻酔して操るコマユバチなど、衝撃的な寄生の事例を多数紹介しています。そのイラストも豊富に収められており、読者は視覚的にもこの世界に引き込まれることでしょう。

近年の研究から、寄生生物が持つ生存戦略は非常に類巧妙であり、私たちが想像する以上に一線を画しています。例えば、ハリガネムシは繁殖のために泳ぐことのできないカマキリを水に飛び込ませるため、その神経系に影響を与えます。また、トキソプラズマはヒトやネズミの性格を変化させ、自らの繁殖に利する行動を引き出します。このように、生物の生態系の中で寄生生物がどう生き残るかを学ぶことは、自然界の複雑な相互作用を理解する鍵となるでしょう。

本書の著者、成田聡子は1960年生まれで、理学博士でもあります。彼女は大学院で共生細菌を研究の後、さまざまな研究機関で細菌や感染症、ワクチンについて研究を進めてきました。現在は日本バイオセラピー研究所で細胞療法や再生医療に従事しており、科学的な視点から生き物たちの驚異的な行動を解き明かすための貴重な情報を提供しています。

本書は「残酷なのに清々しい」「無慈悲だけど華麗」といったフレーズが示す通り、一種の快感を伴いながら、読者に新しい知識を提供する内容となっています。こんな生物の知識を聞いたら、思わず誰かに話したくなること間違いなしです。

『えげつない！寄生生物』は698円（税込）で、ISBNは978-4-10-106361-4です。幅広い層におすすめの一冊であり、特に生物に興味を持つ方々にはたまらない内容に仕上がっています。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。興味深い生態学の世界へとあなたを誘ってくれることでしょう。