国立劇場の特別企画公演が実現
国立劇場は、2024年に日韓の国交正常化60周年を記念する特別企画公演を実施します。このイベントでは、ユネスコの無形文化遺産に登録されている日本の「組踊」と韓国の「宗廟祭礼楽」の共演が行われ、両国の宮中芸能が一堂に会する貴重な機会です。
組踊の魅力
「組踊」は、琉球王国で発展した舞台芸術で、特に独特のリズムやせりふが特長です。音楽には三線や胡弓といった楽器が用いられ、優美でありながら躍動的な表現が融合されています。特に注目されるのが「万歳敵討」という作品で、謝名の子が父の仇を討とうとする物語が描かれています。この作品では、兄弟の心の葛藤がセリフを通じて巧みに表現され、観客を引き込みます。実際の舞台では、出演者たちが万歳の踊りを披露し、物語が一層際立ちます。
宗廟祭礼楽の荘厳さ
韓国の「宗廟祭礼楽」は、李王朝の国王たちの霊位が祀られる宗廟で行われる祭事の際に披露される芸能です。この伝統は500年以上の歴史を持ち、特に神聖な祭祀において重要な役割を果たしています。上演には文舞と武舞があり、前者は雉の羽を手にした、後者は武具を持ったダンスで構成されています。文舞では穏やかさと優雅さが強調され、武舞では力強さや勇壮さが求められます。
日韓の文化交流
特別企画公演は、両国の文化を深く理解し、お互いの伝統を尊重し合う象徴的なイベントです。演目には、組踊の他にも琉球舞踊の「かぎやで風」や「前之浜」、「かせかけ」が披露され、豊かな魅力を持つ沖縄の伝統が味わえます。さらに、韓国からは国立国楽院の約70名の実演家が来日し、専門的な音楽や舞踏を披露します。これにより、観客は日韓の文化交流を直に感じる貴重な36200分を体験できるのです。
公演詳細
公演は2024年4月19日(土)午後1時からスタートし、約2時間半にわたって行われます。会場は文京シビックホールの大ホールで、アクセスも便利。チケットは公式ウェブサイトや国立劇場チケットセンターで購入可能です。
入場料金は1等席9,000円、学生は6,300円。2等席は8,000円(学生5,600円)と、それぞれ手頃な価格で文化を享受できます。また、船旅を通じて、両国の魅力的な伝統芸能に触れることができる絶好のチャンスです。
国立劇場は、今後も日本の伝統芸能の保存と振興に努め、様々な取り組みを行っていきます。この特別企画公演は、その一環として日韓の文化を一つの舞台で融合する試みです。皆様の御来場をお待ちしています。