新国立劇場が冬の名作『くるみ割り人形』を新たな演出で届ける
12月、冬の風物詩として多くの人々に愛されてきたバレエ『くるみ割り人形』が、新国立劇場に新たな演出で登場します。2025年から2026年にかけて行われる公演では、英国の振付家ウィル・タケットが手がけるオリジナル版をお楽しみいただけます。タケットは、昨年の『マクベス』に続く新作としてこの作品を制作し、デザインにはコリン・リッチモンドが参加。カラフルで甘い『くるみ割り人形』の魅力を余すところなく引き出しています。
ホリデーシーズンにふさわしい華やかな風景
『くるみ割り人形』は、クリスマス・イブに少女クララがくるみ割り人形との夢の冒険に出かける物語です。物語は賑やかなクリスマスパーティーから始まり、幻想的な雪の国やお菓子の国など、ホリデーシーズンにぴったりな色とりどりの世界観が広がります。また、毎年この時期に多くのバレエ団によって上演されていることからも、世代を問わず楽しめる作品として親しまれています。
劇場のロビーはクリスマスムード満点で、訪れるだけで心が豊かになる雰囲気。公演時間も休憩を含めて約2時間と短めで、小さなお子様やバレエ鑑賞が初めての方にも最適です。毎年恒例の大きなクリスマスツリーが公演期間中に飾られ、観劇の前後にその美しさを楽しむことができます。
なじみ深いチャイコフスキーの名曲
『くるみ割り人形』は、チャイコフスキーの美しい音楽でも特別な魅力を放っています。特に、第2幕の「お菓子の国」では、名曲「花のワルツ」や「金平糖の精の踊り」など、耳馴染みのあるメロディが演奏され、観客を物語に引き込みます。これらの曲はCM等でも広く知られているため、聴き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
新演出による魅力的な演技
ウィル・タケットによる新制作の内容は、従来の演出とは一味違い、観客を驚かせる要素が満載です。スイーツたちが主人公となる新しいパターンに変更されるため、どのような可愛らしいお菓子たちが登場するのか、その衣装や舞台装置も注目です。初日の幕が開くまでは謎に包まれているため、期待が高まります。新しい振付が登場することで、観る者の心をワクワクさせること間違いなしです。
感動的な物語
物語は、クリスマス・イブの夜、シュタールバウム家の賑やかなパーティーから始まります。主人公クララは、名付け親ドロッセルマイヤーから受け取ったくるみ割り人形によって魔法のような冒険が始まります。ドロッセルマイヤーが用意した手品やプレゼントは、子どもたちにとって夢のような瞬間。パーティーの最中、弟フリッツのいたずらで人形が壊れてしまいますが、ドロッセルマイヤーの優しさがクララの心を打ちます。
夜中、クララは再びくるみ割り人形の様子を確認に行くと、そこにネズミたちが襲いかかり、大きなクリスマスツリーの下で壮絶な戦いが繰り広げられます。くるみ割り人形とクララが力を合わせて勝利すると、彼は王子へと姿を変えます。一緒に雪の国を経てお菓子の国へ向かうクララ。その国では、金平糖の精として歓迎され、楽しいダンスに包まれます。しかし、彼女は現実の世界に戻らなければなりません。
公演詳細
『くるみ割り人形』の公演は2025年12月19日から始まり、1月4日までの間に複数回の上演が予定されています。全体の演出は、芸術監督の吉田都が指導し、オーケストラの演奏も楽しみなポイントです。
期間限定の特別なこの舞台、是非お見逃しなく。チケットは早めの予約をおすすめします。また、文化庁の支援により、4歳から18歳までのお子様1,000名への無料招待が行われますので、家族揃って足を運ぶチャンスとなります。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。