日清食品とT2、自動運転トラックによる物流革命の実証実験を開始

2025年6月、日清食品と株式会社T2は関東と関西を結ぶ自動運転トラックを用いた幹線輸送の実証実験を開始します。この取り組みは、トラック業界の深刻なドライバー不足に対する解決策として期待されており、レベル4自動運転を目指した第一歩となるものです。

背景と目的

トラックの物流において、貨物の最大積載量は主に重量制限によって決定されることが多いです。しかし、日清食品の即席麺のような軽量な貨物は、容積制限によってその積載量が制約されます。これに対処するためには、トラックの荷台の容積を最大限に活用する必要があります。そこで、日清食品とT2は軽量貨物が最大限効率的に運ばれるための新しい輸送モデルをこの実証実験で検証します。

実証実験の概要

実証実験は2025年6月の2日間に行われ、具体的には以下のルートで実施されます：

- 1日目往路

日清食品の関東工場（茨城県取手市）から関西の自社倉庫（大阪府摂津市）へ。

- 2日目復路

日清食品の関西工場（滋賀県栗東市）から関東エリアの委託倉庫（神奈川県横浜市）へ。

この実証実験では、トラックに積載されるのは日清食品の人気商品である即席麺です。実施される検証内容は以下の通りです：
1. 自動運転トラックが走行する際のルートと必要な時間を評価。
2. 渋滞や気象条件などの特定の状況下での走行オペレーションの有効性を検証。
3. 積載された即席麺に対する影響を調査。

なお、実証実験中はドライバーが常に車両に乗り、レベル2相当の自動運転で運行されます。

12型パレットとその利点

ここで使用される12型パレットは、製品の輸送や保管時に用いられる平らな台です。このパレットは日本、ヨーロッパ、アジアなどで広く使用されている標準規格です。日清食品の「カップヌードルビッグ」では、11型パレットを使用する場合と比較して約117%多くのケース数を積載することが可能です。

会社情報

日清食品と提携する株式会社T2は、2022年に設立され、東京都千代田区に本社を構えています。T2は自動運転システムの開発や、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送を事業として展開しており、物流業界の革新をもたらすための様々な取り組みを進めています。

自動運転技術の進展によって期待される物流革命は、効率的な輸送体制の確立やドライバー不足の緩和に大きく寄与することでしょう。日清食品とT2のコラボレーションは、未来の物流の可能性を広げる重要なステップとなります。