鉄道未成線を歩く、失われた路線を遡る旅
2026年3月19日、JTBパブリッシングが手がける『鉄道未成線を歩く』私鉄編・国鉄編が復刊される。かつて2001年と2002年に初めて発行されたこの書籍は、整備されることなく終わった鉄道路線に関する貴重な歴史を掘り下げ、未成線にまつわるエピソードや背景を詳らかにしている。
未成線の魅力とは
未成線とは、工事が進められたものの、様々な理由で完成に至らなかった鉄道路線のことを指す。本書は、まさにそれらの「幻の路線」に焦点を当て、どのような事情からそれらが完成しなかったのかを探っていく。著者の森口誠之氏は、若い頃から鉄道の魅力に取り憑かれ、地図帳の中に描かれた未完成の線路に心を惹かれてきた。
鉄道の歴史的背景を辿る
各路線の計画には、それぞれの歴史的背景が存在し、また計画が頓挫したそのプロセスも非常に興味深い。森口氏は、資料や記録、さらには実際の現地踏査を通じて、それぞれの未成線の物語を丁寧に掘り下げていく。本書を通して、離れた過去と現代を繋ぎ、未成線の現実が目の前に浮かび上がることだろう。
計画が失われた場所の記録
発刊された当初の取材が失われつつある中で、未成線の現場はますます状況が変わってきている。工事が中断された場所では、撤去や再開発によって、以前の様子を知ることが難しくなっている。そのため、今回の復刊は決してただの再版ではなく、貴重な歴史的記録としての価値を有している。
私鉄編と国鉄編の内容
私鉄編では、首都圏および関西圏を中心に取上げた22本の路線の歴史や現地ルポが収められ、巻末には大正・昭和期の未成鉄道の一覧も付録されている。一方、国鉄編では、北海道から九州にかけての21本の未成線を取り上げ、その情報を通じて、日本の鉄道の複雑な姿を伝える。
特に巻末には「鉄道敷設法別表」に見る予定線リストが200線収録されており、その多くが現代において、鉄道ファンや歴史愛好者にとって興味深いトピックとなることだろう。
書誌情報
本書の発行はJTBパブリッシングで、価格は各2970円(税込)である。内容は当時のものを踏襲し、ソフトカバー版として再編成されている。本書を通じて、読者は未成線という名の歴史に深く触れ、失われた鉄道の物語に思いを馳せることができるはずだ。
この機会にぜひ『鉄道未成線を歩く』を手に取り、日本の鉄道のもう一つの歴史を辿ってみてはいかがだろうか。鉄道愛好者だけでなく、旅行や歴史に興味がある全ての人たちにとって、価値のある一冊となることでしょう。