日本フリーランスリーグ、生成AIがクリエイターに与える影響を調査
一般社団法人日本フリーランスリーグ(FLJ)が、生成AIの進化が日本のクリエイターに与える影響を検証するため、国内で最大規模となる実態調査を行いました。この調査には、24,991件の回答が集まるなど、多くのクリエイターの声が反映されています。調査結果は、生成AIの急速な進展が、日本のアニメ、マンガ、ゲーム業界といったクリエイターコミュニティに深刻な影響を及ぼしていることを明らかにしました。これまでの技術革新とは異なる質的な変化として捉えられ、現場のクリエイターたちが抱える不安や心理的ストレスが顕在化しています。
調査の結果、47%の回答者は、自身の仕事に対して重大な脅威を感じていると答えています。また、93.3%は、自身の仕事や将来に対する不安を抱えていることが明らかとなりました。その理由の一つとして、生成AIによる無断利用や誹謗中傷の事例が70%以上に上ることが挙げられ、これは心理的な萎縮を引き起こしていると考えられます。特に、イラストレーターや漫画家など「絵を描く人」の割合が71%以上を占めており、生成AIの代替可能性が最も高い職種として位置付けられています。
さらに、過去の技術革新時とは異なり、AI技術の発展はクリエイターに新たな収入源を確保しなければならないという現実を突きつけています。約1割のクリエイターが、今後の活動において創作以外の収入を模索していると回答しており、これは業界の変革を暗示しています。
また、調査結果は生成AIへの信頼性が低いことも浮き彫りにしました。大多数のクリエイターが、AIの学習データの透明性と著作物利用に対する同意管理の強化を求めており、これに従った法律の整備が強く求められています。82%のクリエイターが、AIから生まれた作品に対しての公正な収益の還元スキームや、法律による保護が必要だと考えています。
この調査結果を元に、日本フリーランスリーグはクリエイターと行政へ向けた提言を行いました。クリエイター向けには、連帯感の強化や契約や権利に関するリテラシーの向上が挙げられ、業界全体が協力して問題に取り組む姿勢が重要であるとされました。
今後、日本フリーランスリーグは「絵を描く人」たちの支援を強化するため、横断的なギルドを設立し、クリエイター同士のできるだけ多くの情報共有が行える環境を整えることを目指しています。また、この取り組みは、生成AIに関連するルールづくりにおいても重要な役割を果たすと期待されています。
日本のコンテンツ産業は、その輸出規模が約6兆円と言われ、今後もさらなる発展が見込まれています。生成AIという新たな技術を取り入れつつ、クリエイターたちの権利を守るための具体的な取り組みが求められている今、どのように両者のバランスを保つかが今後の大きな課題となるでしょう。