日本が誇る教育の歴史と『復刻版 初等科国語 高学年版』
2020年8月に発売された『復刻版 初等科国語 高学年版』は、戦時中の小学校5年生から6年生を対象にした貴重な教科書です。この教科書が、戦後の教育とどう異なっているのか、また現代におけるその意義を考えてみたいと思います。
系統学習と問題解決型学習
本書の底本である『初等科国語』は、当時の教育理念である「系統学習」を採用しています。この手法は、児童に「なぜそうなるのか」を考えさせることが重視されており、自らの思考力を養うために重要な役割を果たしていました。対照的に、戦後に導入された「問題解決型学習」は、決められた答えを知識として覚えることに重点が置かれています。これにより、児童は自ら考えることが薄れてしまったのです。
GHQによる教育改革
戦後、GHQの影響により日本の教育制度は大きく変わりました。教育内容の改革によって日本人の優秀さを薄れさせ、思考力を養うことが困難になったといわれています。この結果、現在の教育においては、子供たちが自ら思考し創造する力を持つことが難しくなっています。これが我々が『復刻版 初等科国語 高学年版』を学び直す意味でもあるのです。
道徳的価値観の重要性
本書では、「道徳的精神と愛の心」が教育の根底にあるべき基本ルールとされています。国語は単なるコミュニケーションの道具ではなく、国民の精神や思想を表す重要な要素です。この教科書は、愛の心の涵養が道徳的精神をもたらすと繰り返し主張しています。これは、現代の教育の中でも見過ごされがちな点です。
近年では「思考力、判断力、表現力」を育成することが教育の目標として掲げられていますが、これらを育むためには適切な価値観が前提となる必要があります。もしも歪んだ価値観を基に思考が行われたならば、結果として得られる判断や表現もまた大きくズレてしまうことになります。
戦時中の教育から学ぶべきこと
私たちが『復刻版 初等科国語 高学年版』を再度学ぶことの意義は、単に過去の教育方法を振り返ることに留まりません。むしろ、それは「何が正しいのか」という正邪の議論を越え、自らが日本人であること、さらには道徳心を重視する社会にいるという認識を持つことです。このような価値観こそが、未来を構築する土台となるはずです。
まとめ
最後に、『復刻版 初等科国語 高学年版』は今の教育界においても重要な示唆を与えてくれる文献であるといえます。道徳心や愛の心を涵養し、未来の世代が自分自身で考え、創造する力を持つためには、やはり教育の在り方を再考し、見つめ直していく必要があるのではないでしょうか。本書は、その考えるきっかけを与えてくれる貴重な有用な教科書なのです。