新国立劇場バレエ団『ジゼル』ロンドン公演が5つ星での成功を収める

新国立劇場バレエ団『ジゼル』、ロンドンでの成功

新国立劇場バレエ団が2025年7月24日から27日まで、世界的に名高い英国ロイヤルオペラハウスで『ジゼル』を上演しました。全5公演はすべてソールドアウトとなり、熱狂的な観客の拍手とスタンディングオベーションで幕を閉じました。この奇跡的な成功はどういったものだったのでしょうか。

公演の評価

公演中、主要メディアから高評価が続出しました。中でも『The Daily Telegraph』の批評家マーク・モナハンは、「このプロダクションの完成度、プロフェッショナリズムには驚かされた」と、最高評価である5つ星を贈り、『The Independent』のゾーイ・アンダーソンは「ウィリたちは、アザミの綿毛のように軽やかでありながら、容赦ない鋭さをもっていた」と称賛しました。

また、舞台における技術的、芸術的な実力を示したとして、『The New York Times』でもコメントが見られました。この評判が世界のトップバレエ団としての位置付けを強固にしています。観客は、表現力に溢れる演出と美しい舞台美術に心を奪われ、特に第2幕でのウィリたちの群舞は「張り詰めた緊張感と詩的な動き」で観客を魅了しました。

能動的な表現の中の美

ウィリたちの動きは「アザミの綿毛のような軽やかさ」と評され、その繊細さと美しさは高く評価されました。観客が静まり返る中から自然に拍手が生まれる瞬間は、舞台全体の空気を一層美しいものにしました。

演出者の想い

今回の公演を手がけたのは、英ロイヤルバレエ団の元プリンシパルであり、新国立劇場の舞踊芸術監督である吉田都。彼女は、「英国ロイヤルオペラハウスの舞台に立つことは大きな挑戦でしたが、新国立劇場バレエ団のダンサーたちは、これまでの積み重ねを自分ぞれぞれが表現し、ストーリーが客席にしっかり伝わったと思います」と振り返ります。

さらに、現地の観客からは温かく迎えられ、彼女は舞台を楽しんでもらったことを心から喜んでいます。また、木下グループを始め、ロンドン公演に協力してくれたすべての人々に感謝の意を示しました。

今後の展望

新国立劇場バレエ団のロンドン公演の成功は、彼らの表現力と舞台芸術への真摯な取り組みが、国際的な評価を得る強力な証明となりました。今後もより多くの人々にその魅力を届けるために、一層の努力を続ける様子が伺えます。

公演データ

- 日程：2025年7月24日（木）～27日（日）全5公演
- 会場：英国ロイヤルオペラハウス

演目『ジゼル』の振付はジャン・コラリ、ジュール・ペロー、マリウス・プティパによるもので、演出は吉田都が手掛けました。また、音楽はアドルフ・アダンが担当し、舞台美術はディック・バードによるものです。公演の成功を支えたキャストも、米沢唯、井澤駿、小野絢子、福岡雄大、柴山紗帆、速水渉悟、木村優里、渡邊峻郁という多彩な顔ぶれです。

新国立劇場バレエ団の今後の活動にも期待が高まります。