ヤマハ、ベトナムの幼保園で音楽教育プログラムを開始
ヤマハ株式会社のベトナムにおける子会社、Yamaha Music Vietnam(YMVN)は、ベトナム最大級の教育情報サイトを運営するKIDDIHUB EDUCATION TECHNOLOGY JOINT STOCK COMPANY(KiddiHub)との業務提携を2025年7月28日に発表しました。この提携により、YMVNはKiddiHubのネットワークを活用し、音楽教育プログラム「Yamaha Music Program for Kindergarten」を幼保園に提供することになります。
ベトナムの音楽教育の現状
近年、ベトナムでは義務教育前の音楽教育が極めて限られていますが、保護者からは「感性や協調性を育む教育を受けさせたい」との強いニーズが見られています。この状況を受け、YMVNはKiddiHubを通じて幼保園の経営者や保護者に対し、音楽教育の導入に関する意見を調査しました。その結果、なんと7割もの人々が音楽教育に「関心がある」と回答しました。
この調査結果をもとに、YMVNは特定の幼保園でトライアル授業を実施し、授業内容や時間、料金体系を整備しました。その結果、大多数の保護者の期待に応えるカリキュラムがようやく完成しました。
「Yamaha Music Program for Kindergarten」の概要
新たに提供される「Yamaha Music Program for Kindergarten」は、3~6歳のお子様向けに設計された音楽教育プログラムであり、子どもたちの「感じる力」「表現する力」「協調する力」を育成することを目的としています。このプログラムの特色は、ヤマハ・ミュージック・スクール認定の講師が指導にあたる点です。
さらに、このプログラムは株式会社学研ホールディングスによる、幼児向けSTEAM教育プログラム「Gakken STEAM Program(GSP)」の一部としても提供される予定です。これは、科学や技術、工学、芸術、数学といった要素を組み合わせた教育手法であり、論理的思考や問題解決能力を身につけるのに非常に効果的です。
未来への展望
YMVNは、今後の3年以内にハノイやホーチミンにおいて200〜300園へのプログラム展開を計画しています。これによって、日本のヤマハ音楽教室の認知度を高め、さらに事業を拡大する狙いがあります。幼児が音楽を楽しむことで、将来的には楽器を演奏する人々の増加や持続可能な教育と文化の循環を促進し、音楽文化の発展にも寄与していく考えです。
KiddiHubとヤマハのCEOコメント
KiddiHubのCEOであるVu Van Tung(ブー・バン・トゥン)氏は、「ヤマハの音楽カリキュラムをGSPに加えることができるのは大変光栄であり、これから多くの子どもたちにこのプログラムを届ける使命を感じています」とコメント。YMVNの社長、足立信彦氏も、「ベトナムでは習い事市場が拡大していますが、KiddiHubと協力して事業展開できることは非常に心強いです」と語っています。
このように、ヤマハはここベトナムで新たな音楽教育のスタイルを模索し、子どもたちにもたらす可能性に期待が寄せられています。今後の展開が楽しみです。