建設業の人材確保と育成に向けた新たな取り組み
建設業は地域社会に欠かせない存在でありながら、高齢化や人材不足という大きな課題に直面しています。そうした中、国土交通省と厚生労働省は2026年度の予算計画に基づき、将来の建設業を支えるための人材確保と育成に向けた取り組みを発表しました。
人材確保の現状と課題
現在、建設業の技能者の約25%が60歳以上であるのに対し、29歳以下の技能者はわずか12%にとどまっています。この現状からも、若い世代や女性を積極的に建設業に引き入れ、彼らが仕事を続けられる環境を整えることが必要不可欠です。これにより、持続可能で活力ある建設業を実現することが目指されています。
新たな取り組みのポイント
1. 人材確保
国土交通省と厚生労働省は、建設業への入職を促進するためのさまざまな施策を展開しています。
- - 魅力向上: 建設業の魅力を広報し、職業としての価値を再認識させる取り組みを強化。
- - 助成金制度: 建設業事業主に対する助成金の支援を70億円確保し、企業が人材を確保しやすい環境を作ります。
- - マッチング支援: ハローワークを通じて人材不足の分野についてマッチングを行い、55億円を投じてサポートします。
2. 人材育成
若者や未経験者に向けた教育・訓練の整備も進められています。
- - 環境整備: 6.6億円を使い、持続可能な建設業の実現に向けての取り組みを再掲。
- - 中小企業支援: 4.9億円を投入し、中小建設業者に対する支援を行います。
- - 職業訓練: 建設分野におけるハロートレーニングを1.2億円かけて実施し、若年技能者の育成を目指します。
3. 魅力ある職場づくり
建設業の魅力を高めるためには、労働環境の改善も不可欠です。
- - 処遇改善: 競争力のある給与や待遇を整え、技能者が安心して働ける環境を目指します。
- - 働き方改革の支援: 101億円を支援金として確保し、各事業所における働き方改革を推進します。
- - 専門センターの設置: 30億円を使って、働き方改革推進センターを通じた支援も行われます。
未来の建設業へ向けて
これらの取り組みは、建設業の人材確保・育成に向けての重要な第一歩です。国土交通省と厚生労働省は引き続き、これらの施策を実施し、建設業界を活性化させていくことを目指しています。これにより、地域社会において重要な役割を果たす建設業が今後も持続可能であり続けるでしょう。将来の担い手の育成が進むことで、建設業は更なる発展を遂げることが期待されます。