ヒコロヒーが初小説『黙って喋って』で、島清恋愛文学賞を獲得!
日本の芸人としてお馴染みのヒコロヒーが、初めての小説『黙って喋って』で、第31回島清恋愛文学賞を受賞したという快挙を達成しました。この受賞は、特に注目に値します。なぜなら、芸人がこの文学賞を受賞するのは、賞の創設以来初めての出来事だからです。
島清恋愛文学賞とは?
島清恋愛文学賞は、金沢学院大学が主催する恋愛小説の中で、最も優れた作品を選ぶ賞です。受賞作は年々名作が揃っており、最近では一穂ミチさんや上田岳弘さんといった著名な作家たちが受賞してきました。今年の選考委員には村山由佳さん、桜木紫乃さん、島田雅彦さん、秋山稔学長の四名が名を連ねています。
受賞作『黙って喋って』の魅力
ヒコロヒーの『黙って喋って』は、単に恋愛の喜びだけでなく、もどかしさや切なさを描いた18本の掌編が収められています。各短編は、恋愛における一瞬の感情や日常の様々な場面を描写しており、多くの読者に共感を呼んでいます。具体的には、友愛以上の関係にある彼に直接言えない一言や、同僚を貶める発言に自分を振り返る瞬間、未婚者としての切なさを巧みに表現されています。
「もう黙って」と言いたくなるような、しかし「もっと喋って」と願わずにはいられない物語がここにはあります。ヒコロヒーが描く「恋する気持ち」は、読者にとって特別な思い出を呼び起こしてくれることでしょう。
受賞を受けてのヒコロヒーさんのコメント
受賞を知ったヒコロヒーは、自身の感情を素直に表現し、「こんな光栄な出来事に遭遇できたのは、支えてくれた周りの皆さまのおかげだ」とコメントしました。特に、朝日新聞の編集長や、エッセイの帯を推薦してくれた作家たちへの感謝が印象的です。「普段はでたらめなコントをしているが、このような形で認められるのは信じられない経験」と話しています。
書籍情報
『黙って喋って』は2024年1月31日に発売される予定で、定価は1760円(本体1600円+税10%)です。すでに緊急重版が決定しており、話題は広がっています。書店に並ぶ新しい帯は、8月下旬から展開されるとのこと。
作者プロフィール
- - ヒコロヒー: 1989年生まれの愛媛県出身の芸人。これまでの著書にエッセイ集『きれはし』がありますが、本書が初の小説集となります。
この受賞作がどのように愛され、多くの人に手に取ってもらえるのか、今から楽しみです。