新沖縄文学97号
2026-03-02 13:22:46

新沖縄文学97号、分断を超えた共生の言葉を発信

沖縄の論壇を牽引してきた文化や思想の総合誌『新沖縄文学』の97号がついに刊行されました。現代社会における国籍や属性による疎外が進む中、特に注意が必要な全体主義の影響について、沖縄という特異な立場から議論を重ねています。

本号の特集テーマは「分断と共生の岐路」。コロナ禍を経て、人々の間に蔓延する信頼の喪失に対し、社会学者・古波藏契氏と哲学者・永井玲衣氏が対談を展開。「社会の根っこで信頼を作る」という視点から、自分たちが信頼を再構築する方法を模索しています。この対談は、単なる理論にとどまらず、実際の活動やプロジェクトに触れ、現実にどのように取り組むことができるのかを考察しています。

また、寄稿者として名を連ねる著名な作家たちがそれぞれの視点から全体主義に立ち向かう言葉を寄せ、沖縄の現状や未来について多様な視点を提供しています。崎濱紗奈やモバイルプリンス、目取真俊といった気鋭の作家陣が、社会の縮図とも言える言葉で今の沖縄を映し出しています。

さらに、特筆すべきは豪華執筆陣による「書き下ろし小説」3編です。芥川賞作家の又吉栄喜が描く「洗浄」、直木賞受賞者の真藤順丈による新作「くがにの巨人」、そしてアガサ・クリスティー賞を受賞したオーガニックゆうきの「風ぬカラハーイ」と、いずれも沖縄を起点にした普遍的なテーマを持つ傑作がそろい踏みです。

表紙には木村伊兵衛写真賞を受賞した石川竜一氏の作品が採用され、巻頭には伊波リンダ氏の作品が彩りを添えています。沖縄を切り取った時評も充実しており、沖縄戦の継承や、激変する政治環境、さらに物価高騰が直接影響を及ぼす沖縄経済についての考察が盛り込まれています。これらの執筆により、沖縄の現状と未来についての深い対話が生まれ、いかに共生の道を切り拓いていけるかが問い直されています。

沖縄の今日を率直に見つめ、未来を見据えたこの号は、全国の書店やオンラインストアで手に入れることができます。定価は本体1,800円(税別)で、全184ページから成る一冊。沖縄文学を体現し、現代の課題に対する思索を深めるためにぜひ手に取っていただきたい一冊です。

本号に関する問い合わせは、沖縄タイムス社事業局出版コンテンツ部へ。電話番号は098-860-3591、メールアドレスはeditor@okinawatimes.co.jpです。新たな視点と共生の世界を希望するあなたに、この『新沖縄文学』97号をお薦めします。


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