心温まるストーリーが魅力の『ぼくは刑事です』
株式会社ポプラ社から、人気作家・小野寺史宜による最新作『ぼくは刑事です』が5月28日に発売されました。本書は、2019年に本屋大賞で第2位に輝いた作品『ひと』に続くもので、特に日常に寄り添った心温まる物語が多い小野寺氏のスタイルを引き継いでいます。
刑事の主人公が描く日常の深さ
本作の主人公は31歳の若き刑事・松川律です。刑事といえば、ミステリーやスリリングな事件が連想されがちですが、この小説はそれとは異なります。松川は、シングルマザーの竹本澄音との関係や、澄音の五歳の娘・海音との交流を中心にストーリーが展開していきます。
松川は、澄音との結婚を真剣に考え始めた矢先、澄音から父親に前科があることを告げられます。この告白は、彼を深く悩ませる出来事となり、日常の中に潜む小さな問題を一つ一つ向き合っていく様子が描かれています。物語が進むにつれて、松川と澄音、そして海音との関係が深まっていく様子が丁寧に表現されており、読者は彼らの心情に共感せざるを得なくなるでしょう。
作品の魅力と書店員からの称賛
本作に接した書店員からも期待のコメントが寄せられています。「小野寺さんの作品における仕事をテーマにした作品は興味深いですが、特に刑事という職業を内面から描写している点が特色です。松川の言葉は常に正直で、彼の人間性が伝わってきます」と、紀伊國屋書店の宮澤さんも絶賛。読者は懸命に悩む松川の姿に、勇気や共感を得ることでしょう。
小野寺史宜の魅力に迫る
小野寺史宜は、千葉県出身の作家で、2006年に『裏へ走り蹴り込め』でオール讀物新人賞を受賞。その後、様々な仕事を通じて描かれる人間模様や生活のリアリティに触れ、多くのファンを魅了してきました。また、著書には『みつばの郵便屋さん』シリーズや『ひと』など、多数の人気作品が揃い、その作品はいつも読者に優しさと誠実さを届けています。
読後感が心に響く作品
『ぼくは刑事です』は、松川の二年間の成長を描いた物語で、様々な日常の出来事を通じて自己発見がなされます。この心温まる小説を読み終えたとき、読者は自身の日常への感謝の気持ちが育まれることでしょう。お仕事小説としての特異性だけでなく、松川の成長物語を通じても多くの人に響く作品に仕上がっています。
皆さんもぜひ、小野寺史宜の『ぼくは刑事です』を手に取ってみてはいかがでしょうか。心に残る物語が、あなたを待っています。