災害列島の真実を探る、京大名誉教授の新著が話題に

災害列島の真実を知るために

日本列島はその美しい自然と豊かな文化に恵まれている一方で、天然災害が頻発する土地でもあります。南海トラフ地震や富士山の噴火、さらには気象災害など、私たちが無視できないリスクが潜んでいます。そんな日本列島の真実を解き明かす新書が、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏によって出版されます。その名も『災害列島の正体ー地学で解き明かす日本列島の起源』。
著者は地球科学者として約50年のキャリアを持ち、また『京大人気No.1教授』とも称される鎌田氏は、科学的視点から日本列島の形成過程や、私たちが直面している自然災害についてわかりやすく解説しています。

本書の内容と目的

本書では、日本列島の誕生から始まり、成長の過程、そして地震や噴火のリスクについて詳しく触れています。以下は本書の目次の一部です：

- 第1章日本列島の「誕生の地」はどこか
- 第2章成長してきた日本列島
- 第3章日本に地震が起きない場所はない
- 第4章熱い「活火山の国」で暮らす備え
- 第5章日本列島が逃れられない天災、気象災害
- 第6章日本と地球の未来図

この構成からもわかるように、著者は日本の地理や地質が災害に与える影響を取り上げ、地震対策や避難行動の重要性を強調しています。

次の災害に備えて

地震や噴火などの災害に対して、一般の人々はその脅威を肌で感じたときに備えを始めることが多いですが、時間が経つにつれてその意識は薄れていきます。
「助けが来るのは遅いかもしれない」との警告は、災害列島に生きる私たちには常に意識しておくべき言葉です。南海トラフ地震の発生が危惧される現在、個々の準備が無策であると、いざというときに自分の命が脅かされるのです。
著者は、この本が読者の知的好奇心を満たすだけではなく、自然災害を他人事ではなく、自分ごととして捉え直すための道しるべになればと願っています。

鎌田浩毅氏について

鎌田浩毅氏は1955年に東京に生まれ、東京大学理学部を卒業した後、さまざまな職業を経て1997年から京都大学で教授として教壇に立っています。その後、2021年には名誉教授としてものこすなど、地球科学の分野で数々の業績を上げてきました。
また、彼の講義は毎年多数の学生の関心を集めており、簡潔で明瞭な説明が評価されています。著書には多くの地学に関する書籍もあり、世間に科学を身近に感じさせる役割も果たしています。