特殊詐欺対策の広報啓発イベントが北茨市で開催されました
2025年11月2日、茨城県北茨城市にて、市制施行70周年を記念した特別公演が開催され、警察庁の特別防犯対策監である杉良太郎氏、特別防犯支援官の伍代夏子氏、船越英一郎氏が出席しました。このイベントでは、急増する特殊詐欺に対する対策が主題となり、参加者に向けた重要なメッセージが発信されました。
声を大にして詐欺への警戒を呼びかける杉良太郎氏
杉氏はイベントの冒頭に、自らの体験を交えたメッセージで、詐欺に対する警戒の重要性を強調しました。「皆さんは、自分が詐欺の被害に遭わないと思っていませんか?明日は我が身です。『自分は騙されない』と過信してはいけません」と言い、被害を他人事に思ってはいけないと注意を促しました。
彼はさらに、詐欺グループは国際的に複数のチームを組んで活動しており、巧妙な手口で近づいてくることが多いと語りました。「彼らは騙しのテクニックを熟知しているため、一度電話を受けたら抜け出せなくなるリスクがあります。一刻も早く、詐欺談話の元を断ち切るよう努めてほしい」と訴え、特に国際電話の利用休止を勧めました。
伍代夏子氏からの冷静な対処法
続いて、伍代氏はニセ警察詐欺の手口を解説し、市民に冷静さを保つことの大切さを伝えました。「急に電話がかかってきても、慌てないことが大切です。その場で行動を起こす前に、まずは最寄りの警察署に相談してください」と助言し、詐欺被害を未然に防ぐために、周囲に広めることも呼びかけました。
船越英一郎氏が警察活動の実情を語る
船越氏は、茨城県内でも深刻な実態があるとし、今年の9月末時点で約93件もの詐欺被害が発生したことをあげ、「総額約6億4,580万円という大きな被害金額です」と数字を示しました。彼は「ニセ警察詐欺ではビデオ通話を使う手口が一般的ですが、実際の警察官はそのような方法を用いることはありません」と説明しました。
また、冬の寒い時期が近づいていることから、引き続き詐欺に対する注意喚起も行いました。「皆さんが一生懸命に貯めたお金を守っていただきたいです」と力強く訴えました。
参加者の積極的な応答
今回の啓発イベントには多くの市民が参加し、実際に国際電話利用休止の申込書にも記入を行いました。結果として、360人以上の方々が申し込みを行うという成果を収めました。杉氏らは「これからもこの北茨城市から詐欺被害を無くすために、皆さんの協力が必要です」と締めくくりました。
緊急性を増す特殊詐欺対策
このような特別公演は、全国47都道府県警察と連携して行われている「ストップ・オレオレ詐欺47」の一環であり、特殊詐欺に関する知識や防止策を広めることが目的です。今回のイベントが、地域の安全を守る一助となることを期待しています。