『BT'63』ハードカバー再刊行
2025-03-28 13:31:12

池井戸潤のダークミステリー『BT'63』をハードカバーで再刊行!

昭和100年に蘇る池井戸潤の真髄『BT'63』



2025年3月28日、株式会社ハーパーコリンズ・ジャパンから池井戸潤の名作『BT'63』が豪華ハードカバー版として復刊します。本作は、2003年に朝日新聞社から初版が刊行され、2006年に講談社によって文庫化されたダークミステリーの巨編です。昭和の時代を背景に描かれたこの物語は、1923年から1930年代にかけての高度経済成長期の日本を舞台にしています。その復刊が、今年の昭和100年という特別な年に実現したことに、ファンの期待が高まっています。

謎めいたストーリーと深いテーマ



物語は1963年、東京オリンピックが迫る中、羽田空港近くの運送会社で相次いで起こるトラック運転手たちの惨死という事件から始まります。主人公の琢磨は、父の遺品から見つけた古い鍵を手掛かりに、父・史郎の過去を探る旅に出ます。その過程で、“呪われたトラック”BT21号の真相にたどり着くことになります。琢磨は、ただ運転手たちの死の真相を掘り下げるだけでなく、父が抱えていた数々の秘密との対峙を余儀なくされます。

「BT21号の呪いは本当に存在するのか?」主人公琢磨は、父の深い過去に触れ、自身の人生とも向き合うことになるのです。そして、物語の進行と共に、時代背景が織り込まれた社会的な批評も展開され、高度成長の裏側に潜む人間ドラマが鮮明に描かれています。

惹き込まれる挿絵とビジュアルアート



本書のカバーイラストは、初版の装画を手がけた人気イラストレーター藤田新策氏が新たに描き下ろしています。巻末まで続く壮大な物語の雰囲気を巧みに表現し、カバー全面に広がる昭和38年当時の京浜工業地帯とBT21号の存在感が際立っています。

さらに、全12章それぞれに挿絵が施されており、初版からイラストが完全収録されています。これにより、ミステリー、クライムノワール、タイムリープ、ホラーサスペンスといった多彩なジャンルの魅力が詰まった本書の世界観を、読者は目で楽しむことができるのです。

作家・池井戸潤の豊かな背景



池井戸潤は1963年に岐阜県で生まれました。慶應義塾大学卒業後、1998年に『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビューを果たしました。以降、数々の受賞歴を誇り、代表作『半沢直樹』シリーズや『下町ロケット』シリーズなどが愛され続けています。

『BT'63』の文体、テーマ、そして魅力的なキャラクターたちは、彼の他の作品同様、緻密に構築されています。読者は、琢磨の旅を通じて過去と向き合う姿を目の当たりにし、そこにある普遍的なテーマに思いを馳せることができるでしょう。

書誌情報



  • - 書名: BT'63
  • - 著者: 池井戸潤
  • - 定価: 2200円(税込)
  • - 発売日: 2025年3月28日(金)
  • - 発行: 株式会社ハーパーコリンズ・ジャパン
  • - 判型: 四六判ハードカバー
  • - ページ数: 672
  • - ISBN: 978-4-596-72664-3

『BT'63』は、ジャンルを超えた物語で、時代の重みを感じさせながらも、ミステリーとしての緊張感を失わない、魅力溢れる作品です。昭和100年を迎える年に、ぜひ読んでみたい一冊となっています。


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