歴史的名作『ニューロマンサー』が新版で登場
ウィリアム・ギブスンによる伝説のサイバーパンク小説『ニューロマンサー』が早川書房から2025年8月20日に新たな中身でリリースされる。この新版は、故・黒丸尚氏による訳文をそのままに、装丁や解説が一新され、ファンの期待に応える内容となっている。ギブスンの作品は、後に引き継がれるサイバーパンクというジャンルを一手に作り上げたことで知られ、この新たにリリースされた版は彼の名作の真価を再認識する機会でもある。
魅力的な新装丁と企画
新版の装丁は著名なデザイナー、川名潤氏が手がけている。彼は過去に多くのSF作品を手掛けており、歴代のカバーを意識した鮮やかで現代的なデザインが施されている。このアートワークは、作品が描いている未来の風景を見事に体現している。さらに、旧版の解説を筆者の山岸真氏が改めて執筆。彼の解説は本作の深い内容に触れるだけでなく、現代におけるその位置づけを問い直すものとなっていることが期待される。
特別付録としては、山岸氏が作成した用語集「スプロール・インデックス」が収められ、作品内で使われる専門用語を理解する助けとなる。この用語集は、特に読者が物語に没頭するための大きなサポートとなるだろう。
限定復刻カバーとプレゼントキャンペーン
また、キャンペーンとして、初版デザインを手がけた奥村靫正氏による復刻カバー版が数量限定で販売される。これにより、ファンは懐かしい初版のデザインを楽しむことができる。復刻カバーは新版の上に重ねて巻くダブルカバー仕様で、特定の書店でのみ入手可能となっている。復刻カバーを手に入れることができる店舗は、早川書房の公式サイトで確認できる。
読者参加型のプレゼント企画も実施され、著者の直筆サインカードやオリジナル・アクリルキーホルダー、限定ステッカーなどが抽選や全員プレゼントとして提供される。この企画では、対象商品の帯にQRコードが記載されており、それを通じて応募が可能となっている。ファンにとっては、特別な体験ができるチャンスと言えるだろう。
ギブスンのビジョンが再び光る
ギブスンの作品は、単なる物語を超え、現実の情報技術に対するビジョンを提示している。『ニューロマンサー』が初めて発表された時代において、著者は「電脳空間」という概念を描き出し、我々の未来への指針を示してきた。近年、AIの進歩が私たちの生活に急速に変化をもたらす中、改めてギブスンの作品を通して未来について考える機会が与えられる。
終わりに
『ニューロマンサー』の新版刊行を通じて、サイバーパンクというジャンルの礎を築いたギブスンの業績が再評価されることを期待したい。この新たな企画が、次世代の読者にも彼の作品の魅力を伝える役割を果たすことを願ってやまない。これを機に、ギブスンの世界を再発見し、彼の描く未来の景色を思い描いてみてはいかがだろうか。
書誌情報
- - 書名: 『ニューロマンサー〔新版〕』
- - 著者: ウィリアム・ギブスン
- - 発売日: 2025年8月20日
- - 価格: 2255円
- - 出版社: 株式会社早川書房
詳しくは、公式サイトを確認してほしい。
早川書房