村田沙耶香の最新作品集『信仰』が文春文庫から発売
芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの作品は、昨今国際的な評価を受けています。その証拠として、彼女の代表作『コンビニ人間』は180万部を超える販売を記録し、44の国と地域において翻訳されることが決まりました。それに伴い、村田さんは現在、世界中から注目される作家の一人となり、その作品が国境を越えて人々の心に響いています。
村田さんのこの勢いは留まるところを知らず、2023年5月8日には最新の作品集『信仰』が文春文庫から発売されることが決定しました。この作品集には、彼女の独特な視点から描かれた小説とエッセイが融合し、信じることやその危うさに迫る内容が詰まっています。
『信仰』の魅力と内容
この作品集には、特に注目すべき短篇小説が含まれています。例えば、「原価いくら?」という言葉が好きな主人公が同級生にカルト商法に誘われる様子を描いた「信仰」、未来の子どもを考え恋人と別れようと決意する姿を描いた「生存」など、実に多彩なテーマが織り交ぜられています。また、文庫化にあたり新たに収録された短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」により、感情がさらに深まることでしょう。合計11篇の作品が収められ、信じることの切実さと危うさに胸を打たれます。
村田さんは『信仰』について、「小説と随筆を混ぜた、少し違った佇まいの本」と語っています。彼女にとって、この作品は他の作品とは異なる奇妙な感覚を伴ったものだと述べており、主人公の言葉と随筆の言葉が交差する様子が印象的です。
装丁の美しさとデザイン
さらにこの作品集は、デザイナーの鈴木千佳子さんによる美しい装丁が施されています。そのデザインには、自然の草原のような感覚と風の流れ、波打つ海の美しさなど、そしてさらには消失感までが表現されており、さまざまな見え方を楽しむことができると鈴木さんは語ります。
文庫化にあたりデザインの変化にも注目され、草のモチーフが引き継がれつつも、新たな魅力が加わったようです。
書誌情報
- - 書名:『信仰』
- - 著者:村田沙耶香
- - 判型:文庫判
- - 発売日:2025年5月8日
- - 定価:715円(税込)
- - ISBN:978-4-16-792361-7
- - 書誌URL:こちら
村田沙耶香さんの新たな作品集『信仰』は、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。彼女の独特な視点と深いテーマに触れることで、あなた自身の信じることについても考えさせられることでしょう。