伊藤潤二が語る楳図かずお作品の魅力とは？特集放送決定

現在、話題のホラー漫画家・伊藤潤二さんが、恐怖漫画の巨匠・楳図かずお作品について語る特集が、CS放送「衛星劇場」で行われます。2024年10月に亡くなった楳図かずおの原作映画傑作選が3月に放送されるこの特集では、特に伊藤潤二氏にインタビューを行い、彼の楳図作品への思いと愛情がさまざまなエピソードと共に語られます。

伊藤潤二氏は、幼少期に初めて楳図作品に触れて以来、彼の描く独特なホラーの世界観に深く魅了されたといいます。特に印象に残っているのは、姉が彼に読ませてくれた「ミイラ先生」。この作品のグロテスクなミイラが美少女たちを襲う様子に、幼い心ながらも強烈なエロティシズムを感じたと振り返ります。それがきっかけで、様々な楳図作品を読み漁るようになり、「のろいの館」や「まことちゃん」など、彼の作品から多大な影響を受け続けたのです。

また、彼自身のデビュー作においても楳図かずおとの関係は強い影響を持っています。23歳でホラー漫画雑誌「ハロウィン」の楳図賞に応募した際、自身の代表作である「富江」が佳作に選ばれました。当時は歯科技工士として働いていた彼が、楳図賞を通じて漫画家としての道を進める決定的なきっかけを得たのです。

伊藤氏が楳図かずおを初めて実際にお会いしたのは2011年の小学館の謝恩会でした。楳図氏はその時、伊藤氏のことを覚えていて下さり、その優しい言葉に感激したとのこと。その後もスピリチュアルな交流を持ち、お互いの作品に対する率直な意見を交わし合ったことも明かされました。

特集放送では、楳図かずおの原作による様々な映画が放送され、それぞれが独自の方法で彼の作品の魅力を引き出しています。「洗礼」や「神の左手悪魔の右手」といった作品を見た伊藤潤二氏は、どれも一貫して楳図かずおの愛が伝わってくる内容であると評価しています。また、彼自身も「洗礼」では主人公を通じたストーリー展開の引き込まれる様子や、「赤んぼ少女」の新しい解釈への感心も示しました。

「これまでの作品では見ることができなかった楳図の世界が映画を通じて新たに表現されている。すべての作品が観るべき価値がある」と語る伊藤氏は、特に楳図かずおの出演する作品の保存版として楽しめるという言葉で、視聴者に強く推薦しています。

今回の「追悼特集楳図かずお原作映画傑作選」の放送を通じて、伊藤潤二氏が楳図かずおの作品やその影響を強調し、彼の作品への深い愛情が再現されていることを多くの観客に伝えたかったのです。ファンはもちろん、これから楳図かずおに触れる方々にも楽しんでもらえる貴重な特集となりそうです。

放送日は3月12日から3月14日まで。「洗礼」「神の左手悪魔の右手」「赤んぼ少女」などの傑作をぜひご期待ください。この特集を通じて、視聴者は楳図かずおの独特な世界に再度出会える貴重な機会となります。興味を持たれた方は、ぜひチェックしてみてください。