民具のミカタ博覧会公式図録が待望の発売
国立民族学博物館が誇る展覧会「民具のミカタ博覧会」の公式図録が、2025年3月21日にリリースされます。この図録は、日常生活で欠かせない道具としての民具の価値を、新たな視点から解き明かすものです。民具は、ただの道具ではなく、私たちの暮らしを形作ってきた文化そのものとも言えるでしょう。
民具と文化の深い関わり
民具は、身近な素材を利用し、地域の人々の知恵や技が紡がれた結果として生まれました。それは同時に、自然や社会に対する観察や理解にもつながっています。この展覧会では、そんな息遣いが感じられる民具を多角的に紹介します。特に、日本国内で収集された武蔵野美術大学の民具コレクションをはじめ、1970年の大阪万国博覧会に向けて集められた世界各国の民具も展示され、その多様性が示されます。
展覧会の目玉と見どころ
公式図録の内容は、いくつかのテーマに分かれています。例えば、
第1章「かたちと身体性」では、民具がどのように人々の身体や生活に組み込まれているのかを探ります。雪の日の歩き方や液体を運ぶための道具のデザインが、私たちの体験とどのように結びついているのかが考察されます。また、
第2章「ユーモアと図案」では、民具に込められた遊び心や美的感覚について触れ、恐ろしい獅子やユニークな模様がどのように表現されているのかを楽しむことができます。
第3章「見立てと表象」では、民具に込められた象徴的な意味を探求します。小さな物の魅力や、風景を形作る道具の役割について掘り下げていくことで、民具が持つストーリーを再発見します。
書籍と編集者について
この公式図録は、国立民族学博物館の日髙真吾(ひだか・しんご)氏と、武蔵野美術大学の加藤幸治(かとう・こうじ)氏によって編纂されました。二人の専門家は、それぞれの分野での経験を活かし、民具が持つ文化的、芸術的な意義を丁寧に伝えることを目指しています。
日髙氏は研究において民俗文化財の保存修復方法を追求し、加藤氏は民俗学や博物館学の側面から民具に対する新たな視点を提案しています。彼らの執筆活動や研究成果も、多くの読者を魅了しています。
この図録は、224ページというボリュームで多くの詳細が盛り込まれており、2,750円(税込)という価格で販売されます。民具に対する理解を深め、日々の生活に彩りを加える一冊として、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。日本の文化や民具に興味のある方には特におすすめの作品です。
購入方法
この公式図録は、2025年の発表に先立ち、株式会社誠文堂新光社のWebサイトから購入可能です。この機会に、普段目にすることのない民具の世界を広げていきましょう。興味深いデザインや文化を理解する手助けになる貴重な資料として、ぜひご活用ください。