ピエモンテ州の魅力を発信した万博イベント
2025年9月28日から10月4日まで、大阪で開催される関西万博に合わせて、イタリアのピエモンテ州が特別なイベントを行いました。この機会を通じて、ピエモンテ州の文化、ビジネス、観光の魅力を幅広く伝え、日本との関係をさらに深めることを目指しました。
古き織機、新しいビジョン
初日のプログラムは、「古き織機、新しいビジョン」と題したイベントからスタートしました。会場となったイタリア館のオーディトリアムは、歴史ある織物産業をテーマにした講演で埋め尽くされました。19世紀から繋がりを持つ日本とピエモンテ州の絹織職人たちの交流が語られ、両国の技術的一体感について参加者が学ぶ貴重な機会となりました。さらに、和の技術とイタリアの伝統が如何に融合しうるかを探求する意義を再認識しました。
UNESCOの世界遺産を巡る旅
次に行われた「ピエモンテ州UNESCO・世界遺産の旅」セミナーでは、州の象徴的な景観を豊かに映し出し、ピエモンテの歴史的建造物や美しい丘陵地帯が紹介されました。ランゲ=ロエロのブドウ畑や、サン・ミケーレ修道院、サヴォイア家の宮殿群等が視覚的に描かれ、参加者はピエモンテの深いアイデンティティを再発見しました。
ビジネスフォーラム「Investing in Piemonte」
続いて、ビジネス機会を探求するためのフォーラム「Investing in Piemonte」が開催されました。この場では、医薬品原薬製造のリーディングカンパニーProcos S.p.A.がノヴァーラ県内の生産拠点拡張計画の概要を発表し、今後8年間にわたる1億5,000万ユーロの投資が計画されていることが共有されました。これは、生産ユニットの拡張に対する新たな投資であり、ピエモンテ州のビジネス環境への大きな期待感を生み出しました。
バイオ産業の未来を語るラウンドテーブル
ピエモンテ州と日本のバイオテック業界の代表者を招き、ラウンドテーブルが行われました。この会では、両国における生命科学分野の共通課題について話し合われ、技術の共有や進化についての戦略的な意見が交わされました。また、大阪バイオ本部やBioindustry Parkとの間で覚書が締結され、日本とイタリアの中小企業同士のさらなる連携を促進する努力が期待されています。
音楽文化を紹介するコンサート
イベントの締めくくりとして、ピエモンテ州出身のヴァイオリニスト、マウロ・イウラート氏によるコンサートが開催されました。彼はピエモンテの音楽文化を国際的な観客に届け、演奏会場は熱気に包まれました。翌月、大阪市中央公会堂での「エキスポ・フレンドシップ・コンサート」にも出演し、大盛況のうちに終了しました。チケットは即時売り切れとなり、会場には多くの観客が詰めかけ、その演奏は多くの人々の心に深く響きました。
この一連のイベントを通じて、ピエモンテ州は伝統と現代が融合した魅力的な地域であることを強く印象付け、今後の日本との関係構築に大いに貢献したことでしょう。