柚木麻子『BUTTER』受賞
2025-05-13 12:08:13

柚木麻子の『BUTTER』が英国文学賞デビュー部門を受賞!

柚木麻子の『BUTTER』が英国ブックアワード受賞



日本の作家、柚木麻子さんの小説『BUTTER』が、2025年の英国ブックアワードにおいて、デビュー部門を受賞したことが発表されました。『BUTTER』は、2020年1月29日に新潮社から文庫版としてリリースされた後、急速に人気を博し、国内で30万部を超える売上を記録。この作品の英語版は、Polly Bartonさんの翻訳により、2024年2月にイギリスの出版社4th Estateから刊行されます。

英語版のリリース直後から、この小説はイギリスで40万部を超える売上を遂げ、さらにアメリカでも10万部以上が売れるベストセラーになりました。物語は、フェミニストとマーガリンを嫌悪する「カジマナ」こと梶井真奈子の視点で描かれています。梶井は、男性たちの財産を奪い、命を奪った容疑で拘置中。週刊誌記者として働く町田里佳は、彼女と面会する中で、梶井の美食にまつわる話に興味を持ち、自らの価値観が揺らいでいく様子が描かれています。

『BUTTER』は、現代の男性優位社会やルッキズムに対する批判を通じて、自分自身をケアし、連帯する大切さを問い直す内容で、多くの読者の心をつかみました。特に、昨年2月に刊行されたイギリス版や、4月のアメリカ版は、フェミニズムや美食とミステリーの融合した新しい視点が評価され、大きな反響を呼びました。昨年11月には「2024 Books Are My Bag Readers Award」の「Breakthrough award category」で受賞し、さらに「Waterstones Book of the Year 2024」にも輝くなど、UKでの評価が急上昇中です。

また、現在までに36カ国での翻訳出版が決まっていることは、この作品の普遍的な人気を物語っています。柚木麻子さんは受賞に際して「大変光栄です。この作品を素晴らしい形で翻訳してくださったポリー・バートンさん、4th Estateの皆さま、書店の皆さま、そして読者の皆さまに心よりお礼申し上げます」とコメントしています。

書籍情報


『BUTTER』は、社会派の要素を含んだ長編小説で、様々なテーマが交差しながら展開されます。本作の主人公である町田里佳は、最初は梶井への面会を単なる仕事として捉えていますが、徐々に彼女の影響を受け、自らの人生に変化をもたらします。特に、梶井の言動が自身に与える影響は非常に大きく、現代社会における強いメッセージをも伝えています。

柚木麻子さんは1981年に東京で生まれ、2008年にオール讀物新人賞を受賞し、2010年にデビュー。以降、様々な賞を受賞し、多くの作品を世に送ってきました。 彼女の作品は、社会的なテーマに対する鋭い視点と、深い人間理解に基づいた描写が特徴です。『BUTTER』の成功は、彼女の作家としての成長を象徴するものであり、今後の新たな作品にも期待が寄せられます。

ぜひこの機会に、柚木麻子さんの『BUTTER』を手に取ってみてください。日本と海外での評価が高まる中、この作品がどのように私たちに問いかけているのかを体感できることでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

関連リンク

サードペディア百科事典: 柚木麻子 BUTTER 英国文学賞

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。