ジル・ドゥルーズの新たな絵画論がついに登場
現代思想の巨星、ジル・ドゥルーズ。彼が絵画について語った講義がついに書籍化されました。新刊『ジル・ドゥルーズ講義録絵画について』は、彼が1981年に行った大学での講義をもとに構成されており、絵画の理解を一新する貴重な内容となっています。
ドゥルーズの哲学と絵画
この本では、ドゥルーズがどのようにフランスの巨匠たちや印象派の画家、さらに現代の抽象画家にまで言及しているかが詳しく描かれています。彼は、セザンヌやゴッホ、ベーコンからミケランジェロ、ターナーに至るまで、さまざまな画家の作品を深く掘り下げ、独自の視点で解読しています。
新鮮な視点と深遠な考察
特に印象的なのは、彼の哲学的概念「ダイヤグラム」「コード」「デジタル/アナログ」「変調」などです。これらは、従来の美術史研究とは異なる視点を提供し、読者自身の理解を刺激するものとなっています。たとえば、ドゥルーズはターナーの《光と色彩》を通じて、絵画の背後にある深いカタストロフの概念を論じ、これがどのように創造の一部であるかを探求しています。
読者を引き込む講義形式
その内容はまるで教室で講義を受けているかのように進行し、ドゥルーズの考えがどのように発展していったのかを追体験できます。この本は、すでにドゥルーズの作品を読み込んでいる読者にとっても、まったく新しい視点を提供するものですし、哲学を初めて学ぶ人にとっても、入門書として最適です。
今後の期待と展望
本書は、ジル・ドゥルーズの生誕100年を祝う記念すべき出版であり、彼の哲学がどのように視覚芸術と交わるのかを深く探ることができる貴重な機会です。現在、講義録第2弾である「スピノザについて」も鋭意準備中とのこと。今後の発表にもぜひご期待ください。
まとめ
『ジル・ドゥルーズ講義録絵画について』は、哲学に興味のある読者やクリエイター、美術ファンにとって必読の一冊です。彼の独自の視点で語られる絵画論は、多くの人々を魅了すること間違いありません。これからアートに触れ、新たな理解を得るための一歩として、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。