待望の新シリーズが登場
フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズの魅力が詰まった新しいシリーズ「ジル・ドゥルーズ講義録」が、ついに始動します。今年の11月19日、株式会社河出書房新社から発売されるのは『ジル・ドゥルーズ講義録絵画について』です。この書籍は、彼が1981年に行った講義をもとに、これまで未出版だった内容を日本語で初めて紹介するものです。生誕100年、没後30年となる特別な年に登場するこの一冊は、多くの博識な読者にとって新たな知見をもたらすことでしょう。
現代思想の巨星、ジル・ドゥルーズとは
ジル・ドゥルーズは、20世紀の思想界に多大な影響を与えたフランスの哲学者です。彼の主な業績は、差異、生成、内在、強度などの概念を通じて、従来の哲学体系を超えた革新的な見解を提供したことです。ドゥルーズの著作は日本でも多く翻訳されており、哲学や文学の領域で知られた存在となっています。しかし、彼の大学での講義はこれまで光が当てられずにいました。音声や書き起こしが残っていながら、それらが書籍としてまとめられることがなかったのです。これが今年から始まる講義録シリーズで、全く新しい形で彼の思想に触れることができるチャンスとなります。
本書の内容と編集者たち
本書の編集を手がけたのは、ドゥルーズの愛弟子であるダヴィッド・ラプジャード氏です。彼はドゥルーズ没後も、その講義を記録し、テクスト集を編纂してきました。『ジル・ドゥルーズ講義録絵画について』は、ドゥルーズの考え方をより深く理解することができるよう、詳細な注釈が加えられている点も特徴的です。また、訳者の宇野邦一氏は、ドゥルーズの講義に実際に参加した経験を持つため、彼の思考を忠実に再現する力があります。これにより、読者はまるで講義に参加している感覚を味わえるでしょう。
対象とする読者
本書は、すでにドゥルーズを知る読者だけでなく、彼の思想に触れたことのない新たな読者にも開かれた内容となっています。絵画に関する講義は、アートに興味がある人々にも刺激的で、クリエイターや美術ファンにとっても必読の一冊です。ドゥルーズは、絵画についての深い洞察を展開し、その内容は多様な時代やスタイルにわたるアーティストたちを取り上げています。フランシス・ベーコンから始まり、ゴッホやミケランジェロなど、見過ごされがちな絵画に対する独自の視点は、読者に新たな理解を与えるでしょう。
今後の展開
すでに第二弾として「スピノザについて」の準備も進められているとのことで、今後のリリースにも期待が寄せられています。ドゥルーズの思考が持つ力はますます増していくばかり。彼の生誕100年を祝うこの機会に、一冊手にしてみてはいかがでしょうか。なにがしかの新たな発見が待っていること間違いありません。