50代からの新たな挑戦
宇宙飛行士としての経験を持つ野口聡一氏が、50代の中高年にむけた新たな著書を発表しました。タイトルは『宇宙飛行士・野口聡一の着陸哲学に学ぶ 50歳からはじめる定年前退職』。この本は、人生の折り返し地点に立つ人々に向けて、定年を迎える前の生活や選択肢に対するアプローチを提供するものです。
三重沈下への挑戦
定年を目前に控える50代が直面するのは、収入の問題、モチベーションの低下、さらには自己アイデンティティの喪失という「三重沈下」。この状況にどう立ち向かうかが本書のテーマです。具体的な内容は以下の通りです。
収入の確保
多くの人々が選択する定年延長では、給与が現役時代の70〜80%に減少するリスクがあります。特に子育て中なら、収入減をどうカバーするか悩む時間が増えるでしょう。また、定年を迎えた後で新たな職を探すことは容易ではなく、状況に対する不満を抱えつつ、いまの職場に留まる選択を強いられることが少なくありません。
モチベーションの低下
立場を変えられることなく、管理職から一般職にポジションが移行することもあります。それまで指導していた部下が突然上司となり、自分に指示を出すというジレンマは、やる気をそぐ要因となるものです。
自らのアイデンティティの喪失
特に管理職として高い地位にいた方々は、定年を迎えたことでプライドや自己価値が揺らいでしまいます。これにより、会社での仕事へのモチベーションが低下するのも無理はありません。
自分自身を知ることの重要性
本書では、こうした三重沈下を意識的に回避し、自分自身の可能性を見出すことが非常に重要であると述べています。著者は以下のように語ります。
「50を過ぎたら会社を辞めよう」
> 私はこの考えを実践し、長年勤めたJAXAを退職しました。人生100年時代に突入し、60歳定年を目前にした50代が、自らの未来を描く重要性を強調しています。会社での地位や評価は、定年後にはあまり役に立ちません。それよりも、どのように人生を切り拓くかが焦点になります。
自らの物差しでライフプランを
野口氏は、自分自身の価値観や物差しで人生のプランを組み立てることが、生きる喜びにつながると考えています。この本が、同じ悩みを持つ多くの人々の背中を押す役割を果たすことを願っています。
著者プロフィール
- - 野口聡一:1965年生まれ。東京大学大学院修了後、IHIに入社。1996年からNASDA(現JAXA)の宇宙飛行士候補者に選抜され、3回の宇宙飛行に成功。特に15年間での船外活動4回は注目です。2022年にJAXAを退職し、現在は合同会社未来圏代表、国際社会経済研究所理事、東京大学特任教授などとして活動しています。
書誌情報
- - タイトル:宇宙飛行士・野口聡一の着陸哲学に学ぶ 50歳からはじめる定年前退職
- - 定価:1,870円(税込)
- - ページ数:224ページ
- - 発売日:2025年2月27日
- - ISBN:978-4-07-460693-1
本書を手にして、自らの人生のナビゲーションをしてみませんか?それが、あなた自身の人生を充実させる第一歩となるでしょう。