阿部和重の新作短編集『ULTIMATE EDITION』が文庫で登場
現代日本文学をリードする作家の一人、阿部和重が自身の集大成とも言える短編集『ULTIMATE EDITION』を文庫化しました。本作は、1994年のデビュー以来、文学賞を受賞した名作たちを池に映すように磨き上げた作品集であり、2025年11月6日より河出文庫から刊行されます。
阿部和重とは?
阿部和重は、1968年に山形で生まれ、94年に『アメリカの夜』でデビューを果たし、瞬く間に文壇にその名を知らしめました。彼の作品は多様なテーマを取り扱い、読者に深い感動をもたらす力があります。受賞歴も豊富で、『グランド・フィナーレ』で芥川龍之介賞、『ピストルズ』で谷崎潤一郎賞を受賞するなど、その実力は折り紙つきです。
新作の内容
『ULTIMATE EDITION』では、一触即発の現代社会で生きる者たちの物語が織り込まれています。ロシア軍特殊部隊員との交流、高校生が内戦中のシリアで経験する仮想修学旅行、闇の世界での高級車窃盗のストーリーなど、幅広いジャンルで構成されています。16編の短編は、阿部ならではの複眼的視点から描かれ、現実を問い直すダイナミックな内容となっています。
読書の楽しみが増すインタビュー
本作の刊行にともない、著者自らが全作品について語る全8回の解説インタビューがWeb河出にて公開されています。このインタビューでは、作品の創作コンセプトや執筆に関する手法、さらには隠されたネタを探ることができ、読者が作品に対する理解を深めるための重要な資料となるでしょう。
今後の予定
また、阿部和重の〈小説以外の仕事〉をまとめた『阿部和重クロニクルズ(仮)』という新刊が2026年春に刊行予定です。これまでの活動を振り返るこの一冊には、彼の豊かな創作活動の集大成が期待されています。
読むべき理由
『ULTIMATE EDITION』は、阿部和重の文学の集大成として必読の書。現代の資本主義社会を生きる我々にとって、彼の作品から学べることは少なくありません。新作の登場により、また多くの読者が彼の世界に引き込まれることでしょう。ぜひ、本書を手に取り、阿部和重の緻密で刺激的な物語を体験してみてください。