森山高至氏が語るファスト化する日本建築の未来 – 新潟トークイベント

日本建築の未来を考えるトークイベント in 新潟

建築エコノミストとして名高い森山高至氏の著書『ファスト化する日本建築』が、最近アマゾンのベストセラー1位に輝き、多くの反響を呼んでいます。この著書は、日本の建築が抱える「ファスト化」の問題について、深い洞察を提供しています。

日本の建築は近年、「早く」「安く」「簡単に」つくることが優先され、長持ちするものという概念が薄れてきました。特に、隈研吾氏が設計した広重美術館に見るように、見た目を重視した短命な建築が増加しています。この現象は、バブル崩壊後の経済的余裕の喪失や、即効性を求める社会の風潮が影響しており、職人の技術や本物の素材の重要性が無視されがちです。

現在、ファスト建築と呼ばれる現象は、住宅や公共施設の規模を問わず広がり、建築家やデザイナーたちは、一時的な話題性や印象を求めた設計を行いがちです。その結果、早期の老朽化や陳腐化が進み、責任を問われることも少なくなっています。さらに、地域文化や社会制度への関心も薄れ、人々の生活が孤立していることが懸念されています。

森山氏の著書は、この社会構造の変化とその影響を明らかにすることを目指しています。彼とは会社の設立期からの長い付き合いがあり、その信頼関係を基に、今、新潟の建築関係者にこのテーマを考えてほしいという思いから、トークイベントを企画しました。

イベントの詳細

日付は2023年7月12日、新潟東映ホテルで開催されます。午前から午後にかけて、基調講演やパネルディスカッションが行われ、参加者の皆様には有意義な話ができる機会を提供します。

パネルディスカッションの特別ゲスト

今回のイベントでは、2人の著名なゲストも登壇します。一人目のゲストは、匠‑TAKUMI 代表の渡辺智紀氏です。伝統技術を基盤にしながらも、現代の建築に適した工法を取り入れた住まいづくりを手掛ける渡辺氏は、「ファスト化する建築」というテーマに対し、どのように具体的なアプローチをしているのか、その実践的な知見を語っていただきます。彼の考えや経験には、今後の家づくりにおける重要な手がかりが隠されているでしょう。

二人目は、i+i設計事務所を代表する飯塚豊氏です。彼は性能と美を両立させ、地域工務店と共に実践的な設計に取り組んでいます。飯塚氏は、ファスト化の問題にどう向き合うのか、貴重な経験と視点をシェアしてくれることでしょう。

イベントは、基調講演の後、パネルディスカッション、質疑応答と進みます。参加者の皆さんとともに、地域の建築の課題について話し合う場になることを期待しています。

また、参加費は社会人が1000円、学生は無料で、気軽に参加できる内容となっています。

主催者: オーガニックスタジオ新潟代表相模稔
後援・協賛: 日建学院新潟校

参加のご予約は、オーガニックスタジオのウェブサイトから可能です。皆様の参加を心よりお待ちしております。

URL: オーガニックスタジオ新潟