ネット総理の物語
2025-11-01 10:46:23

ネット時代の新たな政治観を問い直す『もしもネットが総理になったら』

ニュースやSNSが導く新しい社会の姿



最近のSNSでは、様々な迷惑行為を含む動画が炎上し、多くの人がその瞬間的な注目に惹かれています。これに対して、ひらかわゆうき氏の新作『もしもネットが総理になったら』は、その過剰な最適化の社会で本来大事にすべき人間らしさを取り戻す手助けとなるストーリーです。

あらすじと見どころ


本書は、ネットがもし総理大臣であったならどうなるかというユニークな視点から描かれています。主人公となるのは「ネット」。彼は、国民の「いいね」の数によって法案を決定し、影響力のあるインフルエンサーたちが内閣の大臣に選ばれる斬新な政治体制を作り上げます。しかし、こうした状況は同時に、承認欲求を満たすための自己アピールばかりが重視され、社会における“透明化”が進んでいくのです。

承認欲求とその弊害


物語の中では、「承認欲求基本法」という究極の法案が形成され、毎月自分をアピールする投稿が義務づけられます。この法律のもとでは、一定の反応が得られない人々は、まるで社会から弾かれてしまうかのような恐怖感が生まれます。このような不安定な状況は、誰もが一様に承認されることを強制される滑稽さと無理のある疲弊感を引き起こします。

SNSの影響力とその脆弱性


さらには、政策決定がライブ配信のコメントの流速によって決まる滑稽さが描かれています。このような状況では、従来の政治の枠組みは崩れ去り、全てが瞬時の反応やバズによって左右されてしまうことになります。その中で静かな存在はどんどんと忘れ去られ、バズらない声はログから消えてしまうという現実が描かれています。

本書が問いかける社会へのメッセージ


『もしもネットが総理になったら』は、そうした現代の社交メディア文化に対して、ただ笑い飛ばすのではなく、「誰の声が本当に大切なのか」という問いを投げかけています。特に、最近のSNS上の炎上事例は、瞬間的な評価を伴う行動がどのように人々を過激な行動に駆り立てるかを考えさせます。この作品は、社会が抱える問題に対して少しでも気づきを促し、冷静な判断を求めています。

著者と作品背景


ひらかわゆうき氏は、幼児教育・保育の分野で長い経験を持ちながら、社会の姿を温かく見つめ続けてきました。彼の作品は、ユーモアを交えた考察が特徴であり、読者に笑いながら深い思索を促すものが多くあります。『妄想総理シリーズ』は、異次元で様々な視点を提供し、記録的な反響を得ています。興味ある方はぜひ彼の作品を手に取ってみてください。


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