eラーニング受講実態調査から見える形骸化の真実とは
株式会社オトバンクが実施した最新の「eラーニング受講の実態調査」が注目を集めています。この調査では、20〜69歳の会社員を対象に、eラーニングの実態、特にその受講完了率や受講の背景について探っています。その結果、驚くべきことに、受講完了率は42.5%にとどまり、さらには80.5%が他の業務をしながらの「ながら受講」を経験していることが明らかになりました。これにより、研修が形骸化している現状が浮き彫りになりました。
調査の背景:人的資本の強化とeラーニングの課題
2023年3月に公表された「人的資本可視化指針」の改訂により、企業は経営や人材戦略を見直さざるを得なくなっています。この指針が求める透明性や成果の提示に伴い、多くの企業がeラーニングを導入しましたが、一方で「利用率が上がらない」や「学びにつながっているか不明」といった課題も報告されています。
残念な受講完了率
調査では、eラーニングの受講完了率が42.5%という結果が得られました。特にリモートワークを行っている社員に絞ると、完了率は30.7%にまで低下します。この事実から、リモートワークが浸透しつつある中でも、十分に学習効果を上げられていないことが浮き彫りになりました。
受講に立ちはだかる壁
受講が進まない理由については、「内容に興味が持てなかった」が33.5%と最も多く、次いで「長時間の動画が負担」や「モチベーションが不足している」といった理由が挙げられました。これらは心理的な障壁に加えて、時間的な問題も絡んでいることが窺えます。
通常業務との両立
調査では、80.5%の社員が「ながら受講」を経験していることが明らかになりました。この「ながら受講」は、受講の成果を疑似的に示す指標にはなりますが、その裏側では形骸化が進んでいることを意味しています。業務と学びを同時に行うことが一般的になっているため、実際の学習効果が薄れていると言えるでしょう。
学びたいが学べない現状
多くの社員が「学び続ける必要性」を感じている一方で、eラーニングの内容や進め方には不満を抱いているという矛盾が存在しています。約68.3%の社員が「まとまった時間を取るのが不便」と感じ、71.3%が「テキストや動画を見ることが疲れる」と回答しており、これが学びの impediment となっているのです。
理想の学びの形
調査によると、理想的な学習環境として求められているのは「短時間で学べること」「他の業務を行いながら学べること」「いつでもどこでもスマホで学べること」とのことです。日常生活の中でシームレスに学べる環境が求められています。
日常に溶け込む新しい学びのスタイル
オトバンクの創業者、上田渉氏は「企業は研修の量や実施だけでなく、社員の成長をどう促すかが問われている」と指摘しています。学ぶ需要が高い社員が実際には合った環境を持てていないという課題を解決するには、日常に自然に溶け込んだ学びを提供する仕組みが重要だと述べています。
この調査結果を踏まえると、企業は社員の自主的な学びを支援し、効果的な人材育成を実現するための環境構築に力を注ぐべきです。社会の変化に対応した新しい教育の形が、今求められています。