フィリピン発、手話を楽しむ絵本『おどっているよ、わたしのて』とは？

絵本『おどっているよ、わたしのて』がもたらす新しい体験

株式会社偕成社より、2025年11月17日（月）に発売される『おどっているよ、わたしのて––––目で見ることばでおはなししたら』は、フィリピンの著名な絵本です。本書は、絵を通して手話という新たなコミュニケーションの形を体感することができるという、非常にユニークな内容になっています。

本書の魅力

本書は、手話を視覚的に理解することができるようにデザインされています。障害を持つ子どもやその家族、友人たちとの交流を描いており、『シュナイダー・ファミリー・ブック賞』や『エズラ・ジャック・キーツ賞』のオナー作品にも選ばれました。

中心となる物語は、お隣に引っ越してきた女の子マイと彼女に出会ったサムの友情です。一見して把握しづらい手話を、彼女たちのほほえましいやりとりを通じて、読者も共に体験し、学ぶことができます。手話の美しい動きが愛情豊かに描かれたイラストによって、読者は自然に手話を身近に感じることができます。

物語のあらすじ

物語は、主人公のサムが新しい隣人のくる家族に興味を持つところから始まります。隣に住む女の子マイは、手や表情を使ってコミュニケーションを取る特技を持っています。サムはその姿を見て、大いに興味を持ちます。ある日、二人は出会いますが初めは言葉が通じず、うまくコミュニケーションができません。その後、マイが手話を教えてくれることで、二人の友情が深まっていく様子が描かれています。

読者はこの物語を通じて、異なる背景や特性を持つ子どもたちが互いにどうやって理解し合い、絆を深めるかを見つめることができます。お互いの違いを楽しみ、受け入れる姿勢が描かれた物語は、子どもたちにも大切なコミュニケーションの方法を身に付ける手助けとなるでしょう。

手話紹介ページ

そして、本書の巻末には手話の紹介ページもあります。フィリピン手話はもちろん、日本手話や国際手話も載っているため、絵本を読んだ後に実際に手話を練習することができます。子どもたちが一緒に楽しみながら学べる素晴らしい機会を提供するこの絵本は、教育的価値も高い一冊です。

著者たちの紹介

本書の著者には、手話の美しさを伝えたいという思いを持つジョアンナ・ケと、聴覚障害者の権利を支援するチャリーナ・マルケスがいます。二人のバックグラウンドや経験が本書に色濃く反映されています。イラストを担当したフラン・アルヴァレスも、独自の視点で美しいイラストを生み出しています。

読者がこの絵本を通じて手話やコミュニケーションの重要性を学び、楽しむことができることを願っています。『おどっているよ、わたしのて』は、未来を育む子どもたちにぴったりの一冊です。