ユーミンの変貌を探る新刊『ユーミンと「14番目の月」』
2023年の秋、ユーミン(松任谷由実)が40枚目のオリジナルアルバムをリリースし、「72歳で72本」の全国ツアーを発表するという驚きのニュースが飛び込んできました。その勢いは更に続き、彼女の原点である荒井由実時代を振り返る新書が2025年3月24日に発売されることが決定しました。著者はフィンランド出身の日本音楽研究者、ラッセ・レヘトネン氏。彼が手がけた『ユーミンと「14番目の月」──荒井由実と女性シンガー・ソングライターの時代』は、ユーミンの作品の根底にある魅力や歴史的背景を解き明かします。
『14番目の月』の位置づけ
本作の中心となるのは、荒井由実名義でリリースされたアルバム『14番目の月』です。1976年に発表されたこのアルバムは、ユーミンの作品の中でも特に高く評価され、オリコン1位を獲得した名作です。「中央フリーウェイ」など、今なお多くのリスナーに愛されている楽曲が収められており、ユーミンの音楽がどのように進化したかの重要な鍵を握ります。
アルバムの分析
『ユーミンと「14番目の月」』では、このアルバムの楽曲分析を軸に、同時代の女性シンガー・ソングライターや音楽家たちとの関連性にも触れています。特に、この時代に起こったウーマンリブ運動との関わりについても言及し、ユーミンが社会的な背景をどのように音楽に反映させていたかを探求します。
著者は「日本の読者へのまえがき」で「ファンにとって『14番目の月』を選んだことが意外だと思うかもしれないが、このアルバムはその音楽的バラエティやオリジナリティからも貴重であり、見つめ直すことで私たちの時代を再考する契機にもなる」と述べています。
著者と翻訳者のプロフィール
著者ラッセ・レヘトネン氏は、日本音楽に精通し、フィンランドで活躍する研究者です。彼の監修のもと、ポピュラー音楽研究において新鋭の訳者たちが日本語に翻訳を手掛けています。翻訳者の加藤賢氏はポピュラー音楽の研究を専門にしており、アニータ・ドレックスラー氏はクィア研究など、多角的な視点から音楽にアプローチしています。
現代に生きるユーミンの音楽
ユーミンは、今もなお「ジャパニーズ・シティポップ」の先駆者として、多くのリスナーに影響を与え続けています。今回の新書が、彼女の音楽やその背後にある文化的背景を再評価する機会につながることが期待されており、ファンはもちろんのこと、音楽好きの方々にも興味深い一冊となることでしょう。
新刊情報
- - 【書名】ユーミンと「14番目の月」──荒井由実と女性シンガー・ソングライターの時代
- - 【著者名】ラッセ・レへトネン
- - 【訳者名】加藤賢、アニータ・ドレックスラー
- - 【発売日】2025年3月24日
- - 【定価】2,420円(税込)
- - 【出版社】平凡社
この機会に、ユーミンの魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。