シニア世代の電子コミック利用意向調査、興味の高まりを明らかに

シニア世代の電子コミック利用動向が明らかに

NTTソルマーレ株式会社が、60代および50代のシニア・ミドルシニア世代を対象に実施した意識調査によれば、電子コミックの利用が想像以上に広がっていることが明らかになりました。調査は、全国のマンガに関心を持つ1,050名を対象に行われ、これにより今後の市場動向にも注目が集まっています。

電子コミックの利用状況

調査結果によると、回答者の73.9%がこれまでに電子コミックを利用した経験があると回答しました。特に印象的なのは、利用者の52.5%が週に数回以上、定期的に電子コミックを活用している点です。また、78.1%が最新の連載作品や新刊に関心を持っていることから、シニア世代のマンガトレンドへの高い関心が伺えます。

電子コミックの魅力

さらに、シニア・ミドルシニア世代が電子コミックの魅力と感じる点として、最も多く挙げられたのは「保管スペースを取らない」というメリットです。実際、58.8%がこの点を重視しており、続いて「スマホやタブレットで手軽に読める」(53.1%)、「試し読みができる」(41.2%)といった利便性が支持されています。紙のマンガでは解決しづらい物理的な課題を乗り越えることで、より多くの読者が電子コミックの魅力を享受できるようになっています。

読み返しのニーズ

調査によれば、過去に読んだマンガを再度楽しみたいと考えるシニア・ミドルシニア世代は86.9%に達しており、その理由として「好きだったキャラクターを再確認したい」「新しい発見をしたい」といった懐かしさや再発見の意欲が見受けられました。このような「再読」のニーズに応えるため、電子コミックは古い作品が豊富に取り揃えられる良質なプラットフォームとして機能しています。

具体例として、共有したいマンガとして「ブラック・ジャック」や「ドラゴンボール」、「鬼滅の刃」といった名作が挙げられ、多くの世代にわたって親しまれていることがわかります。

利用意向と市場の可能性

一方、電子コミック未利用者のうち、「画面が見づらい」「目が疲れる」との声が多く聞かれ、視認性や操作性の向上が重要な課題として浮かび上がりました。この視点から、シニア・ミドルシニア世代にとって「読みやすさ」が利用のカギになることが示唆されています。大画面デバイスでの表示や文字サイズ調整機能の導入が進めば、新たなユーザー層の開拓が可能です。

調査結果では、66.9%のシニアが今後も電子コミックを利用したいと回答しており、これは市場のさらなる成長が期待できる傾向を反映しています。特に、電子書籍の利用を促進するために「文字サイズや明るさの調整」、「初心者向けの使い方ガイド」など、サポート体制の強化が求められています。これにより、デジタルに不慣れな方々も安心して利用できる環境が整い、シニア・ミドルシニア世代の電子コミックの利用が進むことでしょう。