期待の新鋭、新馬場新の注目作
5月30日、新馬場新(しんばんば・あらた)氏の最新長篇『歌はそこに遺された』が、徳間書店より発売されます。新進の作家として、その活躍が注目されている彼女が手がける本書は、読者に強いインパクトを与える作品です。
ストーリーの概要
本作は、近未来を舞台にした法廷ミステリーであり、死後に“世界一の歌姫”として名を馳せる主人公、荒井海鈴(あらいまりん)が登場します。彼女は殺され、その遺作『人魚』が大ヒットを記録します。この曲が生身の人間によって創作されたものであるにも関わらず、生成AIによる楽曲が主流の時代にあって、異例の成功を収めることに。海鈴の死についての捜査が進む中、容疑者である備藤龍彦(びとうたつひこ)の言動が次第に怪しく感じられることになります。
この物語は、東京地検の公判検事である堂崎千也(どうざきせんや)が、海鈴の所属事務所の訪問をきっかけに進展していきます。事務所の社長である椎名栄弥(しいなえいや)は、一般的な芸能事務所とは異なり、レッスン提供を中心とした怪しげなビジネスに関与していることが明らかになり、事態は予想以上の方向に進んでいくのです。
著者のメッセージ
新馬場新氏は、作品を通じて「変化し続ける社会の中で、人は何を遺すことができるのか」という問いを投げかけます。この現代において、正義の形がどのように揺らいでいるのか、かつてSFとして描かれていた恐怖がどのように現実のものとなりつつあるのかを考察し、読者自身にそれを考えるきっかけを提供しています。著者は「遺された一曲の歌を通じて、人間の心に潜む痛みと、時代に抗う人々の姿を描きました」と述べています。
作品の魅力
本書は、エモーショナルな描写や緻密な設定が特徴で、読者の心を掴んで離さない一冊です。新馬場新氏の前作『沈没船で眠りたい』が高く評価されたことを受けて、期待が寄せられています。この新作を通じて、彼女がどのように読者の心を動かすのか、多くの人々が注目しています。
書誌情報
- - タイトル: 歌はそこに遺された
- - 著者: 新馬場新(しんばんば・あらた)
- - 定価: 2,310円(税込)
- - 判型: 四六判並製
- - ページ数: 368ページ
- - 発売日: 2025年5月30日(金)
- - ISBN: 978-4-19-865998-1
この物語が多くの人々に届き、考えさせられるきっかけとなることを期待しています。発売日をお楽しみに!