ピアニストの挑戦を描いた大人のピアノ入門書の魅力
2025年7月、株式会社マガジンハウスから発売された『ピアノが弾けるようになる本』が、わずか5ヶ月で重版を果たすという快挙を成し遂げました。この本の著者、ジェイムズ・ローズ氏は、10年にわたり音楽活動から離れた後に、独学で学び直し、再びステージへと舞い戻った異色のコンサート・ピアニスト。彼が本書を通じて伝えたいこととは一体何なのでしょうか。
ジェイムズ・ローズ氏からの特別メッセージ
発売から数ヶ月後、ローズ氏は日本の読者に向けて特別なメッセージを寄せました。彼は日本のクラシック音楽界に対する憧れを語り、これまで数えきれない時間を日本のピアニストたちの演奏に傾けてきたことを明かしました。彼にとって、日本は常にクラシックピアニストの「精神的故郷」として存在してきたのです。
「バッハのシンプルな前奏曲を演奏することができるのは、多くの人たちにとって手の届く範囲にある。」とローズ氏は述べ、この小さな本が新たに多くの人々の手に渡ったことに深い感動を覚えていると語ります。
SNSで広がるムーブメント
この本の人気の高まりはSNSにおいても顕著です。特に、稲垣えみ子さんがNHKの「あさイチ」に出演したことがきっかけになり、多くの注目を集めました。彼女が本書を紹介した直後、Amazonの学習ジャンルランキングで1位を獲得。これにより「大人のピアノ再挑戦」という新たなムーブメントが生まれています。
参加型企画「#稲垣さん弾いてみたよ」
さらに、5刷決定を記念して、Instagram上で「#稲垣さん弾いてみたよ」というキャンペーンが開催されています。バッハの《平均律第1番 前奏曲 ハ長調》を練習した成果を動画に収め、投稿することで、抽選で「稲垣賞」も用意されています。これは、稲垣えみ子氏直筆のイラスト入りポストカードの3枚セットという、参加者にとって嬉しい特典です。
書籍の内容とその魅力
『ピアノが弾けるようになる本』は、日々の練習を通じてバッハの名曲に挑戦するためのガイドブックです。本書は、たった1日2小節ずつの練習を6週間続けるだけで、バッハの前奏曲を弾けるようになる内容になっています。初心者でも理解しやすいところから始まり、楽譜の基礎から正しい指遣いまで丁寧に解説されています。
「まんなかのド」というキーワードが特に重要で、これがプレイヤーの出発点となります。初めてピアノの前に座ったときに自分の位置を確認するのに最適なキーであり、多くの成功がここから生まれるのです。
対象は全ての大人たち
この書籍は、音楽経験のない大人、または過去に楽器に触れていたが再挑戦をしようとする方々に向けられています。特に、バッハの前奏曲を通じた練習は、自身の人生を豊かにする方法の一つとして提案されています。ローズ氏が提案する手法は、音楽を楽しむ喜びを思い出させてくれるでしょう。
著者と翻訳者のプロフィール
著者のジェイムズ・ローズは、音楽界において独自の道を歩んできた異色のピアニスト。稲垣えみ子氏もまた、著名なライター兼翻訳者として知られており、多くの人に親しまれる作品を手掛けています。彼らのコラボレーションによって生まれたこの本は、多くの成人に新しい音楽の旅を提供することでしょう。
ぜひ、本書を手に取り、音楽の楽しさを実感してみてください。あなたも、バッハを弾ける日がやってくるかもしれません。