アーティストshidoが、待望の新曲「骰子一擲 - a roll of the dice」を2025年7月9日にリリースし、そのミュージックビデオ(MV)も同日公開されました。この新作は、失声症からの復活を経て生まれた作品で、文学と悲劇、カオスを融合させたユニークなサウンドドラマが特徴です。
今回の楽曲は、作詞・作曲を手がけたodiμsblueによってshidoの独自の世界観が一から築かれ、編曲には音楽プロデューサーNumaが参加しています。Numaは、Eveのヒット曲「廻廻奇譚」や「ドラマツルギー」を代表作に持つ才能あふれるアーティストで、ギタリストとしても名を馳せています。そのため、楽曲のクオリティは非常に高く、非常にエモーショナルなナンバーに仕上がっています。
「骰子一擲」の歌詞には、ギリシャ・ローマ文学や宗教的な語彙が散りばめられており、詩的なリリックと疾走感のある編曲が見事に融合しています。舞台は、灼熱の砂漠からカジノへと移り、観客の歓声や混沌が渦巻く中で、主人公はロシアンルーレットに巻き込まれます。この楽曲は、現実と虚構の境界を失いながらも、「真実か偽りか」という問いではなく、「その瞬間がどのように消費されるか」を考えさせられる内容です。主人公が他人に決められた役を演じ続ける中で、初めて自分の運命を選ぶ瞬間を経験する姿が描かれています。
MVでは、劇場を舞台に、洗練されたスーツ姿のshidoが象徴的なロシアンルーレットの場面で自らの意思で選ぶという行為に至る様子が映し出されます。その一瞬一瞬が映画のワンシーンのようにドラマティックに展開し、美術や演出、音楽が融合した「運命を描く悲劇」としての魅力を発揮します。
shido自身もこの作品について、「これまでの繊細な感情表現とは異なり、よりクールで冷徹な一面を引き出した」とコメント。Numaの素晴らしいアレンジによって、楽曲の世界観がより深まったと語ります。日常の中で自分自身と向き合う時間を持つことを大切にしているshidoの思いが詰まった作品です。彼の独特の声は多面的で、感情表現に豊かさをもたらしています。
shidoは、失声症との闘病経験から不安や苦しみを歌へと昇華させてきたアーティストであり、その強さと弱さが彼の音楽のカラーとなっています。その深海の主人公としての表現は、多くのリスナーに感動を与えることでしょう。是非、新曲「骰子一擲」とそのMVをチェックして、shidoの特異な音楽世界に浸ってみてください。