ちばてつやが伝える漫画文化と越前和紙の深い絆

漫画家ちばてつやが文化を繋ぐ新たな試み

日本の漫画界を代表する漫画家、ちばてつや氏が新たに手がけるのは、漫画文化と、日本の伝統的な越前和紙の保存活動です。彼の代表作『あしたのジョー』と越前和紙が見事に融合し、その魅力を伝える展覧会が2025年3月19日から日本橋三越本店で開催されます。

文化勲章受章という栄光

ちばてつや氏は、2024年に文化勲章を受章することが決定しています。これは、漫画家として初めての快挙であり、彼の長年の努力と貢献が認められた結果です。また、2026年にはプロデビューから70周年を迎え、日本の漫画が国内外で高く評価されていることも、この展覧会の背景にはあります。

漫画の未来を見据えて

本展では、ちばてつや氏の名作『あしたのジョー』はもちろん、『紫電改のタカ』や『おれは鉄兵』といった他のヒット作の版画も展示されます。これらは数量限定で、ちば氏の直筆サインが入った作品として販売される予定です。漫画原画は劣化が進む中、彼はその文化的価値を守るために立ち上がりました。越前和紙の技術継承への危機感から、「和紙と漫画の文化と保存を考える会」に参加したのがきっかけです。

初の版画化！名シーンの再現

本展の目玉中の目玉は、あの名シーン「まっ白な灰」の初版画化です。『あしたのジョー』の最後で、矢吹丈が長い戦いの末に「まっ白な灰」となった瞬間を、越前和紙に再現しました。耐久性の高い和紙を用いたことで、男たちの熱い戦いを永遠に刻むことが可能となったのです。この版画は、最新の高精細複製技術を使って制作されています。

「まっ白な灰に…（和紙ver）」は、54x38cmのサイズで、ちば氏が一つ一つ確認・監修して完成しました。作品には、彼自身の毛筆による直筆サインと限定番号が入っています。また、他にも新作版画「『あしたのために』」や、様々なサイズの版画も取り揃えられる予定です。