調査の背景
ハルメク生きかた上手研究所は、シニアの生活に関する実態を探るために、全国の20歳から89歳の男女を対象に食に関する意識と実態を調査しました。この調査は、物価高騰の影響が顕著な今日において、特に50代以上の女性たちの食に対する意識の変化を浮き彫りにしています。
食品選びの重視点
調査結果によると、食品選びで最も重視される項目は「価格・コスパ」であることがわかりました。ただし、70代の女性はこの項目に加え、「国産」や「安全性」も強く意識しています。物価高に対抗する方法としては、購入価格帯を下げることや、手作りをするなどの工夫が見られます。例えば、パンを自分で焼くという人も多く、料理のスキルを活かし、経済的かつ安心できる食材選びへとつなげている様子が伺えます。
健康重視の移行
また、食への意識としては「おいしさ重視」から「健康重視」へのシフトが見られ、特に60代女性では健康的な食生活を意識する割合が高まっています。調査によると、自分の健康に対する意識が高まるにつれ、食事からたくさんのタンパク質を摂取することが必要であると認識されているようです。
タンパク質志向
年齢が高くなるほど、タンパク質を意識した食事を心がける傾向が強まっており、肉や魚が主なタンパク質源として考えられるようになっています。80代の男性や70代の女性では、約7割が「たんぱく質」を重視する結果となりました。これにより、日々の食事には肉や魚、大豆製品が多く含まれるようです。
時代を反映した工夫
今回の調査を通じて見えてきたのは、シニア世代が物価高に対して自身の経験や工夫を駆使して対応している姿です。「米の購入を控え、安い加工食品に切り替えた」や「頻度を減らしてでも質の良いものを選ぶ」といった声がありました。特に60代以上の女性は、タンパク質を積極的に取り入れることで健康を意識した食生活を送っています。さらに、家計を意識しつつも、楽しさや満足感を得るための工夫を怠りません。
まとめ
物価高という逆風にもかかわらず、シニア世代、特に50代以上の女性たちは知恵と工夫を駆使し、より充実した食生活を実現しています。「健康的に生きるためには、食をただ消費するだけでなく、選択し、工夫することが大切」といった意識が広がっているようです。その結果、豊かで安心な生活を送るための心構えが表れつつあるといえます。
専門家の見解
ハルメク生きかた上手研究所所長の梅津順江氏は、調査の過程で得られたシニア層のインサイトをもとに、誌面づくりや商品開発に役立てていると語ります。また、今後のトレンドとして、より健康を意識した商品の増加が期待されると指摘しています。
50代からの雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」は、50代以降の女性に向けて、健康や料理、ライフスタイル情報を提供し、読者がより良く生きるためのサポートをしています。読者とのコミュニケーションを重視し、さらなる購読者向上に向けた取り組みも続けています。