ドゥルーズとガタリの名著が再び脚光を浴びる
ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリというフランスの哲学者の共著である『アンチ・オイディプス──資本主義と分裂症』と『千のプラトー──資本主義と分裂症』が、特別なハードカバー版として刊行されることが発表されました。本書の出版は、ドゥルーズの生誕100周年と河出書房新社の創業140周年を記念するものです。
発売スケジュール
- - 『アンチ・オイディプス』 2025年12月26日刊行予定
- - 『千のプラトー』 2026年2月刊行予定
この2冊は、20世紀における最も重要な思想書とされ、特に現代思想においては欠かせない名著です。『アンチ・オイディプス』は、無意識や欲望、国家、資本主義などをラディカルに検討し、分裂分析へと導く内容が特徴で、来るべき思想と実践に向けた挑戦的な文体が印象的です。
一方、『千のプラトー』は、その構造と概念の自由さから、思想実験とも称され、リゾームや抽象機械など新たな概念によって宇宙の生を解き放つ試みが描かれています。これらの作品は、哲学や社会科学だけでなく、広く芸術や文化においても影響を及ぼしています。
改訂と新装幀
新刊は、河出文庫版を底本にした最新翻訳に基づき、訳文に若干の改訂が加えられています。また、デザインも更新されており、デザイナーの水戸部功が手掛けた装幀は、21世紀における両書の重要性を強調する斬新なものとなっています。
賞賛の声
著名な哲学者・國分功一郎さんからも、熱烈な推薦の言葉が寄せられました。彼は『アンチ・オイディプス』について、「ぼろきれのようにされてはいけない、絶対に手放してはならない願いから書かれた本だ」と語り、また『千のプラトー』に関しては「国家の捕獲装置の作動を探る道具箱がそこにある」とし、その深い意義を力説しています。
特別寄稿も公開
そのほか、Web河出では荘子itさんと髙山花子さんによる寄稿も特別公開される予定です。荘子itさんのエッセイ「アンチ・オイディプスの音楽」では、哲学と音楽の交差点を探求し、髙山花子さんは、ドゥルーズの声をめぐる記憶を通じて彼の抵抗の足跡を辿ります。
最後に
既にこれらの作品をお持ちの方も、これから手に取る方も、新たな座右の書として再び本書を読み返してみてはいかがでしょうか。現代思想の重要な一端を担うこれらの作品は、思考の拡張を促し、私たちに新たな視点を提供してくれることでしょう。