河合楽器製作所が10年間の成長戦略『KAWAI 十年の計』を発表

河合楽器製作所が10年にわたる成長計画を発表

株式会社河合楽器製作所は、このたび2025年4月から2035年3月までの約10年間を見据えた中期経営計画「KAWAI 十年の計」を策定しました。この新たな戦略は、同社の主力事業である鍵盤楽器、特に楽器教育の分野での収益を大きく引き上げることを狙いとしています。

10年間の長期計画の必要性

通常の中期経営計画は3年間程度で設定されることが多いですが、河合楽器がこの10年間の期間を選んだ理由は、成熟市場でのシェア獲得や新興市場の開拓には時間を要するからです。そのため、長期的な視点でじっくりと成長を図る方向性が求められているのです。

財務目標の設定

新たな計画の中では、売上高、営業利益、営業利益率、ROEといった主要な財務指標が明確に提示されています。具体的には、2028年3月期には売上高900億円、営業利益50億円を見込んでいるほか、2035年3月期にはそれぞれ1,300億円と150億円に達することを目指しています。特に、ROEに関しては、3年後に5.5%、6年後に10%、そして10年目には16%を超えるという目標が掲げられています。

目指すべき姿：鍵盤楽器事業の成長

河合楽器が掲げる「KAWAI 十年の計」の中核には、同社が「世界一の鍵盤楽器メーカー」になるという強い意志があります。そのため、今後10年間で鍵盤楽器事業をさらに成長させ、永続的な企業価値の向上を目指します。

鍵盤楽器需要の見通し

市場環境についても興味深い見解が示されています。デジタル化が進行する一方で、リアルな製品や体験の需要は逆に高まっているとの見込みです。このため、鍵盤楽器や音楽・体育教室の需要は堅調に推移すると予測されています。特に、新興市場の開発に頼らずとも、鍵盤楽器のシェアを高めることで大きな成長が見込めるとのことです。