名曲の背景を掘り下げる旅
2月13日(木)20時からBS日テレで放送される「三宅裕司の昭和うた旅」第2弾では、日本の昭和を代表する二つの名曲の神秘が解き明かされる。石川さゆりの「天城越え」と五木ひろしの「よこはま・たそがれ」の誕生秘話や歌詞の深層に、三宅裕司が迫る。
「天城越え」の深い歌詞の意味
三宅がまず向かったのは、石川さゆりの「天城越え」に出てくる浄蓮の滝だ。この美しい滝は日本の滝100選にも選ばれており、歌詞に込められた情熱や男女の複雑な感情が感じられる場所でもある。三宅は「滝に来ただけで男女の情念が思い浮かびます」と感慨を語る。
歌詞にある「誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか」という過激な表現に対して、石川さゆりは最初は「私の歌ではない」と感じ、歌うことをためらったという。しかし、作詞家・吉岡治は石川を納得させるために、彼女に特別な言葉を投げかけた。この言葉とは一体何だったのか。
次に三宅は、吉岡治と作曲家・弦哲也が楽曲を作ったという温泉宿「白壁荘」を訪れる。そこに宿泊していた大女将から、過去の出来事を聞く中で、弦自身のインタビューも展開。その中で明らかになるのは、最初に作られた「天城越え」が実はまったく異なる曲だったこと。弦は東京を出る際に歌詞の第一稿を受け取り、合宿中には全てのメロディーを作り直すしかなかったという。これには、吉岡がなぜそのような決断をしたのか、驚きの裏話が存在する。
また、歌詞に登場する「わさび沢」も訪れ、農家の方から話を伺ったり、採れたてのわさびを味わったりと、実体験を通じて「天城越え」の歌詞を再考する。その中で「山が燃える」について、三宅は「秋の紅葉」と考えるが、農家の方からは意外な視点が提供される。朝の光の中での天城山の姿がどのように見えるか、驚きの考察が待っている。
さらに、弦哲也が勧める天城隧道にも足を運び、歌詞に描かれる「風の群れ」を肌で感じる瞬間。そこで吉岡が歌詞に込めた思いとは何だったのか、一つ一つの景色が歌詞にどう結びついているのか、新たな発見が次々と現れる。
最終的に三宅は、「天城越え」の歌詞には実はもう一人登場人物がいたという秘話を発見する。これにより、歌の持つ多面的な解釈が見えてくる。また、歌の背景には歴史上の有名な人物が絡んでいるという説が浮上する。この名曲がどのように生まれ、どのように愛されてきたのか、緻密に描き出されていく。
「よこはま・たそがれ」の深層に迫る
次に三宅は五木ひろしの「よこはま・たそがれ」のゆかりの地、横浜を訪ねる。五木のデビュー曲であるこの名曲には独特の歌詞があり、名詞が羅列された構造が特徴的。作詞家・山口洋子はなぜこのような手法を用いたのか、弦哲也が語る。山口が仕掛けた挑戦状としての歌詞の背景を探る。
歌に登場する「ホテルの小部屋」にも実在のモデルがあり、三宅はそのすべてを持つ創業者にインタビューする。山口がこの部屋で実際に詞を作ったというとのことで、当時の雰囲気がどのようであったのか、その真実に迫る。
1970年代の横浜の夜の街も魅力的だ。三宅は、当時を知る86歳のバーテンダーや写真家を訪問し、横浜の「裏町スナック」の姿を掘り下げる。
最終的に五木ひろし自身が、自身の初ヒット曲となった「よこはま・たそがれ」に対する思いを語る。自宅に帰る前にこの歌を歌いたいという衝動を抱いた青年時代の苦労が、今の成功へと繋がっている。
2月13日の放送では、これらの内容を通じて昭和の名曲がどのように多くの人々の心を捉えてきたのか、そしてその背景に潜むドラマを追っていく。詳細な取材をもとに、深い物語が明かされるこの番組は必見だ。