体制を掴むアナーキストWHO SHOT SCOTTの挑戦
ニュージーランド・オークランドを拠点に活動するアーティスト、WHO SHOT SCOTT(フー・ショット・スコット)が待望のEP『BRAIN (SIDE B)』とシングル「U SCARED」をリリースしました。彼の音楽は、パンクとヒップホップの境界を大胆に壊し、アナーキーなエネルギーを放っています。この新作は、音楽リスナーの同調志向や音楽業界の抑圧的な構造に対抗する、反資本主義のアンセムとも言えるでしょう。
新EP『BRAIN (SIDE B)』の背景
このEPはWHO SHOT SCOTT自身のセルフプロデュースによって製作されており、触れたくない現実や意見を率直に表現しています。「私の音楽は反発するために存在する」と彼は語ります。「音楽業界からの同調圧力やルールに従うべきだとされるプレッシャーに対抗したい。多くの人々を不快にさせることで、同調する理由を考え直してもらえたらと願っています。」
彼は、バスキアの作品やデヴィッド・リンチ、スタンリー・キューブリックといった監督の作風にも影響を受けており、アートを「食事」として貪ったと語っています。このため、彼の音楽は既存の枠にとらわれず、聞く者に鮮烈な印象を与える作品に仕上がりました。どのトラックも彼の強烈な意思を感じさせます。
来日公演も発表
さらに、WHO SHOT SCOTTは来年4月に日本を訪れ、吉祥寺Shuffleで行われる国際音楽ショーケース「MUSIC BRIDGE TOKYO」へ参加することも決定しています。4月10日には横浜Baysis、4月14日には立川BABELでの公演も控えており、ファンとの初めての直接的な接触が待たれます。
受賞歴と影響力
WHO SHOT SCOTTは、彼自身の独自の音楽スタイルを体現しつつ、数々の受賞歴を持つコラボレーター、コナー・プリチャードとのタッグを組むことで、ビジュアル的にも作品の価値を引き上げています。彼らのコラボレーションによって生まれる映像体験は、EPのテーマを強力に映し出しています。
彼は、世界中に多くのファンを持つアーティストであり、今ではオルタナティブミュージックの新たな先駆者としてその地位を確立しつつあります。EP『BRAIN (SIDE B)』は、彼の革新者としての存在感を証明する作品となり、今後の活動にも大きな期待が寄せられています。
誕生の瞬間
WHO SHOT SCOTTことZaidoon Nasirの音楽のルーツは、彼自身が幼少期に経験した戦争から逃れてニュージーランドに移り住んだことに由来しています。彼は自身が抱える二重のアイデンティティを音楽に反映させ、その結果、より独自性の強い作品を生み出すに至りました。
これまでに彼がリリースしてきた作品も、独特の実験性や自由な表現が評価され、多くのリスナーに支持されています。今後もWHO SHOT SCOTTから目が離せません。