2025年10月27日、日本の現代工芸を世界に発信する「HULS GALLERY」は、公式ブランドブック『工芸の居場所』を発表します。この書籍は、工芸の魅力を紹介しつつ、日本の美意識について深い洞察を提供します。
HULS GALLERYは、2016年に工芸に特化したバイリンガルメディア「KOGEI STANDARD」を設立し、日本の多様な工芸産地を巡ってきました。陶芸や漆芸、染織、木工、金工など、様々なジャンルの工芸品に触れ、作り手との対話を重ねる中で、彼らの情熱や美意識を理解することができたと感じています。そして、2017年にシンガポールにオープンしたギャラリーでは、工芸品の販売にとどまらず、国際的な市場にも積極的に展開しています。
このブランドブック『工芸の居場所』は、写真やコラムを通じて、工芸の美しさとその背後にある文化的な価値を明らかにしています。著者であり、ギャラリーのキュレーターを務める柴田裕介氏は、自ら工芸品の写真を撮影し、具体的な見どころを提案しています。これにより、読者は日本の工芸が持つ現代的な役割について、より深い理解を得ることができるでしょう。
本書は、日本語と英語の二カ国語で書かれており、国内外の皆様に向けて工芸の魅力を伝えます。「工芸コラム」では選りすぐりの18点の工芸品の写真とそれにまつわる文章が掲載されています。掲載作品には、佐賀の李荘窯の染付花唐草文の皿や、愛知の眞窯のハスの注器などが含まれており、それぞれの作品が持つストーリーや美しさを味わうことができます。さらに「日本の美意識コラム」では、伝統的な美意識である「侘び寂び」や「もののあはれ」について、現代的な解釈を加えたコラムが収録され、工芸の根底にある思想について考察を加えています。
柴田裕介氏は、1981年生まれで、立教大学社会学部を卒業後、HULSを設立し日本の工芸の国際展開に取り組んでいます。彼の情熱は、工芸を通じて築かれる人々のつながりや、手仕事が持つ価値の再発見に向けられています。
HULS GALLERYは、2019年に東京・赤坂に新たな店舗をオープンし、常設展示品の販売に加え、毎月異なるテーマの企画展を開催しています。日本の伝統的な建築様式を取り入れた空間で、陶磁器や漆器、ガラス、織物、そして木竹工品など、多彩な工芸品が展示されています。
ブランドブック『工芸の居場所』は、HULS GALLERYの各店舗やオンラインストアで購入可能です。国内定価は2,860円(税込)。日本の工芸の美意識や現代におけるその価値を伝えるこの一冊をぜひ手に取ってみてください。