くら寿司が挑む人手不足解消の新しいアプローチとは

日本の外食業界が直面している大きな問題の一つが人手不足です。この厳しい状況に対抗するため、くら寿司が注目しているのが従業員体験（EX）を高めるための体験型研修です。この研修は、業務の効率だけでなく、従業員のモチベーション向上にも寄与し、企業と従業員双方にとってのメリットを生むものとなっています。

外食産業の現状

最近の調査によると、大手外食企業297社のうち、約25%が国内出店計画を見直す動きがあることがわかりました。これは飲食業界が求職者に対して採用数が圧倒的に多い「超売り手市場」にあることを示しています。この背景には、団塊世代の退職や少子高齢化が影響しています。特に飲食業界では、賃金だけでなく、働く環境を整えることが求められています。

体験型研修の有効性

改善策として注目される体験型研修。これはただの座学にとどまらず、実践を通じた学びを提供します。例えば、くら寿司では農業や漁業の現場に訪れる研修が用意されており、実際の作業を体験することによって、食品がどのように生産されるのかを学びます。こうした経験は、従業員の職業観を広げ、会社の理念を実感するきっかけとなるでしょう。

他企業の取り組み

他データーでは、日本マクドナルドの「ALL JAPAN CREW CONTEST」や、サントリーの「2年次Global VALUE研修」など、体験を重視する企業が増えています。これにより、従業員同士の結束が強まり、企業全体の戦力が向上しています。

くら寿司のユニークな取り組み

くら寿司が行う「KURA-No. 1 GRAND PRIX」（くらワングランプリ）は、接客や調理技術の最高峰を決めるコンテストであり、従業員のスキルを競い促し合う場として機能しています。技術とチームの一体感が養われ、外食業界の現状において強い競争力を持つ人材を育てることができます。

また、くら寿司の教育担当者は、リーダー研修の重要性も挙げています。周囲をモチベートするリーダーを育成することが、企業全体の活気につながると強調しています。